ママが叱ったら僕は叱らない、僕が叱ったらママは叱らない

── 仕事が忙しいと、家でも考えたり準備したりする時間が長くなって、家事や育児に影響は出ませんか? バランスはどうされてますか。

中尾 基本的には、仕事は家に持って帰らないようにしています。もちろん家で台本を読むことはあります。自分が一つの作品や仕事に集中しているときには、家族が支えてくれているんだなと感じることはたくさんありますね。 実は家族で一つ決めていることがあって、それは、子どもには自分の作品は見せないということ。年齢のこともありますが、まだ映画もバラエティーもドラマも見せたことがありません。

── 気持ちを上手に切り替えてていらっしゃるんですね。私自身は仕事が忙しいと、つい、普段は叱らないような場面でも、子どもを叱ってしまったりするのですが、そういうこともなさそうです。

中尾 もちろん、息子をきつく叱ることはありますよ。ただ、僕が叱ったらママは叱らないということにしています。そういうときは、後から「ママ、子どもの部屋に行ってきてね」と言って、どちらかが必ずサポートすることを心がけています
 今後、どういう父親になるのが100点なのかということは全く分かりませんし、それはママのほうもそうだと思っていると思うんです。僕の父は割と、昭和のお父さん的な、すごく怖い人で「怒られたくない!」という感じでした。そういう父のことをもちろん尊敬はしていますし、否定もしないけれど、怖いお父さんが正しいのかと問われると、それは分からないんですよね…。かといってたまに見かける友達みたいな親子が正しいのかも分からない。叱りすぎるのはよくないけれど、バランスが難しいなと感じています。