連絡帳のアプリ化も保護者に好評
世田谷区の認可園として開園したばかりということもあり、定員の約80人中現在は55人程度埋まっているという。とはいえ、やはり0〜3歳は定員いっぱいだ。既に近くに0〜2歳を受け入れるための分園を新設することが決定しているほど、要望は高いという。現在の園では、0、1歳が4人ずつ、2歳が24人、3歳が17人、4歳と5歳が2〜3人ずつ通っている。認可園のため、保育料は自治体の規定に準ずる。
ICTの取り入れにも積極的で、連絡帳もアプリを利用しIT化している。出欠の連絡から、クラスごとの取り組みの様子まで、パソコンやスマホを使って親と先生がコミュニケーションできるようになっているから便利だ。もちろん希望者には従来の紙での対応もできるが、園の予想以上にアプリの導入はスムーズで好評だという。
乳児クラスでは、紙の連絡帳同様1人1人、幼児クラスではクラス単位での保育の様子を、写真入りで読むことができる。保護者も保育士も連絡帳の記入時間が短縮された上に、コミュニケーションも取りやすく、使い勝手もいいようだ。
PTA活動のような保護者の負担はほぼないが、年に1、2回開かれる「ちゃちゃマルシェ」は、子どもたちが学んだことを保護者や地域の人に伝える活動として行われている。
例えば、ドライフルーツで作った装飾が並ぶ予定だという。
それは、あるとき絵を描くのに使ったニンジンは「まだ大きくなるのかな?」という子どもの疑問から始まり、ニンジンをもう一度土に植えたり、水につけたり、干したりしてみたという子どもたちの日々の疑問や学びのストーリーが続いていく。
運動会も、そのためだけにお遊戯や組体操を練習するのではなく、「遊ぼう会」と題して日頃行っている遊びを保護者と共に楽しむ場として位置付けられている。
そうした生活を通した学びを、ちゃちゃマルシェや行事で、保護者と共有していくのだ。
保育園には、保護者や地域の方が利用できるコミュニティーカフェが併設されている。無料のコーヒーやお茶が置かれ、wi-fiも利用できる小さなスペースは、近所の人が立ち寄ったり、子どもを迎えに来る前に親が少し仕事をしたりと、開かれた場になっている。
「保育園は閉ざされた場所になりがちですが、地域と協力していける場でありたいと思います」という茶々保育園グループ。新しい取り組みを柔軟に取り入れながら、“これからの保育園”のあり方を真剣に考え、作っていこうという若い先生たちの情熱を感じられる園だった。
(写真/岩辺みどり)