夏の発酵食作り第3弾は「甘酒」です。甘酒は点滴に含まれるビタミンB群やブドウ糖、アミノ酸などの栄養素が豊富に含まれていることから、「飲む点滴」ともいわれる飲み物。栄養価が高いため、夏バテや疲労回復にも効果があります。そんな夏こそ飲みたい甘酒作りに子どもたちが挑戦! 今回、日本の伝統的な食文化を現代風にアレンジして伝える、くらしデザイナー・濱島展枝さんの教えの下、どの家庭にもある「炊飯器」を使った甘酒と、おいしい甘酒スイーツのレシピをお届けします!

甘酒づくりは温度管理が肝心! 温度計を凝視する子どもたち

 甘酒には大まかに、米麹を発酵させて作るノンアルコールのものと、酒粕をお湯で溶き、砂糖を加えて加熱したアルコールが含まれたものとがあります。今回は子どもたちもおいしく飲める、前者の米麹を使った甘酒づくりに挑戦します。

 甘酒作りは一見、手間がかかりそうに見えますが、ある道具を使えば実はとっても簡単。それは炊飯器です。市販のヨーグルトメーカーを使えば、もっと簡単に仕込むことができますが、今回はどのご家庭にもある炊飯器を使って、子どもたちと一緒に作っていきます。

 材料は米麹とお湯のみで、いたってシンプル。まずは、お湯を沸かして温度を調整するところから、子どもたちに作業してもらいます。

 「お湯の温度が大事になるから、温度を測ってくれるかな? 55~60℃になったら教えてね」と濱島さん。温度計を必死に見ながら、「ちょうど59℃になったよ!」と教えてくれました。

温度計で温度をマジマジと見る姿は、ちょっと理科の実験のようにも見えます
温度計で温度をマジマジと見る姿は、ちょっと理科の実験のようにも見えます

 続いて、炊飯器のお釜に分量の麹を入れて、適温になったお湯をザザっと流し入れます。2人交互に、なんとも素晴らしいコンビネーション。温度が下がり過ぎないよう、素早く材料を入れることが大事なのですが、最初に温度の説明をしていたせいか、子どもたちはパパっと手際よく作業してくれました。

炊飯器があれば、簡単に甘酒作りが可能。こぼさないよう慎重に、でも素早く材料を入れてくれる子どもたち
炊飯器があれば、簡単に甘酒作りが可能。こぼさないよう慎重に、でも素早く材料を入れてくれる子どもたち

 あとはお釜を炊飯器にセットして、「保温モード」に設定。麹を発酵させて甘酒にしていくには、ここからちょっと工夫が必要なのです。