カブトムシ、クワガタは実は暑さに弱い

 夏休みに飼う定番の虫といえば、やはりカブトムシとクワガタ。キャンプに行ったときに捕まえて家で飼育するということも多いと思いますが、そのときに気を付けていただきたいことがあります。それは、カブトムシもクワガタも暑さに非常に弱いということ。帰りにファミレスなどどこかに立ち寄ったときには、決して車内に放置しないでください。夏の車内は異常な高温になりますから、ほぼ死んでしまいます。もし、どこかに立ち寄る場合は、虫籠などで一緒に連れて出るようにしましょう。これは、ペットショップで買ったときも同様です。

<飼育ケースを準備する>
 飼育ケースはペットショップやホームセンターなどで購入できます。初めての飼育であれば、金魚と同じく、すべてそろった飼育セットを購入するのがいいと思います。プラケースと共に、昆虫マット(飼育用の土)やエサのゼリーとゼリーホルダー、朽ち木などがセットになっていますし、説明書通りに飼えばいいので簡単です。

 よく、自分なりに工夫してみようと、公園などで朽ち木や落ち葉、腐葉土などを拾ってきてプラケースの中に入れようとする人もいますが、カビや細菌が付着していたりするのでおすすめできません。そういう意味では、衛生的に作られている昆虫マットや朽ち木などを使用したほうが安心です。

 飼育セットにはだいたい説明書などもあったりするので大丈夫かと思いますが、まずは飼育用のプラケースに昆虫マットを5センチくらいの深さに敷いて、止まり木になる朽ち木を配置します。エサの昆虫ゼリーにコバエが寄ってくるので、侵入を防ぐためのコバエ侵入防止シートをフタの部分にセットすれば完成。金魚同様、観察がしやすいようにいつも見えるところに置いてあげましょう。

<世話をする>
 カブトムシもクワガタも、交尾をしてしばらくするとオスは死んで、メスは産卵を終えると死にます。少しでも長く観察したいのであれば、オスとメスは別のケースで1匹ずつ飼うといいでしょう。でも、それだと観察という意味では面白くありません。やはり、産卵した卵を孵化させて、幼虫からサナギになって、羽化するまでのサイクルを観察するのが、飼育の醍醐味だと思います。

 カブトムシはオスとメスのつがいで飼育すると、ほぼ100%卵を産みます。翌夏にはそのカブトムシの子どもたちが成体となり、また飼うことができるでしょう。それに対してクワガタは、産卵する確率が低く、産卵してから成虫になるまでに2年ほどかかるなど、初心者にとっては少し難易度が高いです。よほどクワガタが好きでなければ、諦めたほうがいいかもしれません。

 カブトムシはオスとメス1匹ずつでもいいのですが、より確実に産卵させるためには、オス2匹にメス4匹を同時に飼育するのがベスト。そのぶんエサも必要なので、昆虫ゼリーを欠かさないように気を付けましょう。

<成体になるまでのサイクルを観察&世話をする>
 カブトムシが交尾をして死んだ後に、土を掘り返すと卵を見つけることができます。卵は1ミリほどの白い卵ですが、時々、マットに霧吹きをして湿らせておくようにすれば、やがて羽化して幼虫となり、越冬して翌春には成体に成長します。そのサイクルさえ分かっていれば、誰でも簡単に飼育することができます。卵を産んでいるのを見つけたら、土を高く盛っておくことがポイントです。

 カブトムシの幼虫は腐葉土を食べます。腐葉土の入った昆虫マットが売られているので、それを足してあげるといいでしょう。しばらくして腐葉土が減ってきたら、土の交換の合図です。常に観察して、糞尿で汚れているところを取り除きながら、腐葉土を入れ替えていけば大丈夫です。

 幼虫のときはいいのですが、サナギになるときは要注意です。蛹室を作って羽化に備えるので、そうなったら触れないようにしましょう。幼虫がかなり大きくなって、白色からやや茶色に変色しつつ、体が真っすぐになってくるとサナギになる合図。土の入れ替えもストップして、見守るだけにしましょう。

 昆虫の飼育も、やはり親の協力が不可欠です。サナギになる前までは、たまに子どもと一緒に土をほじくってみて、「あ、幼虫が大きくなったね!」などと言いながら楽しんでください。