ママは昇進、ステップアップを目指して

氏家 先ほどの話にもあったように、教育費は中学生以降どんどん大きくなっていきます。だからこそ、一時的な理由で昇進を避けてしまうのは、本当にもったいない。もちろん、その一時的な時間のやりくりが心身ともに非常に厳しいというのはありますが、お金の面でいうと、しっかりと報酬を得ていればそのぶん家事のアウトソーシングもしやすくなります。

 それに、子どもが進学したい、留学したいといったときも素直に応援しやすくなります。お金によって、子どもの選択肢を増やすことにもつながるんです。

 また、子どもは小さなときは親にそばにいてほしいものですが、ある程度大きくなると、親は子どもにとって社会への入り口となります。それはパパだけでなく、ママもそうであったほうが子どもの人生の幅が広がる。子どもが大きくなったときに、適度な距離感を保ちながら末長くいい親子関係が築けるのではないでしょうか。ママには積極的に昇進へチャレンジしてほしいですね。

林田 私も氏家さんも社会人になってから大学院に戻って学び直しているわけですが、子どもがちょうどお金がかかるタイミングに自分に投資しているんですよね。私たちはフリーランスなので昇進とは違うけれど、ステップアップという意味では似ている部分もあるなと思います。

氏家 子どもたちが勉強しているのを見ていたら羨ましくなって、子どもの大学受験の前に私が大学院を受験して先に入ったんですけど、おかげで違った角度から子どもと大学の情報を共有したり、違った目線で大学をみたりすることができました。楽しそうに勉強している親の姿を見せることで、子どもも勝手に勉強するようになりましたし、子どもにとってもいい影響を与えられたんじゃないかなと思っています。

林田 どうしても子育て世代は、時間もお金も「自分は我慢して子どものために」と考えがちですが、人生100年といわれる現代だからこそ、自分に投資するという選択もありだなと思います。

 自分が楽しく生きるための余裕を作ることに投資するという考え方ができるといいですね。子どもが小さなときにはそれはアウトソーシングで、子どもが大きくなったら自分の教育に投資するとか。

氏家 子どもが生まれたから人生をリセットするのではなく、もっと自分の生き方をメーンに考えてもいいと思います。忙しい中、毎日一人でやる家事・育児はつらいけれど、みんなでやれば暮らしの中には楽しいことがいっぱいあって、家族の生きる力も養えます。外部の人に頼んでほっと一息つければ、また新たな気持ちで毎日が頑張れる。

 家族の大切な思い出は、日常から生まれます。笑顔のある普通の暮らしを大切にしてほしいですね。

(撮影/谷本結利)

氏家祥美

ハートマネー代表。家計研究家。第2子出産後、2005年にFP会社の立ち上げに参画。2010年にFP事務所ハートマネーを設立。お金・仕事・時間のバランスのとれた幸福度の高い家計を追及する。『いちばんよくわかる!結婚一年生のお金』(学研パブリッシング)、『35歳からの女性に贈るこれからのお金のお作法』(秀和システム)など、著書多数。 趣味は旅と世界の料理。