退職金など、社内情報には敏感になる

―― 会社員の場合、老後資金として退職金を期待している人が多いと思います。会社にはなかなか聞きづらいのですが、把握しておいたほうがいいでしょうか。

内藤 今の制度では、という前提はありますが、これも「子どもの年齢」を起点にしながら、その金額で「このままだったら何とか逃げ切れそう」となるか、「とても足りない」となるか、現状を把握するために必要な要素です。就業規則を見れば分かると思いますし、先輩社員の声として聞こえてくるということもあるでしょう。中途退社の場合の金額なども分かるとなおいいですね。

 50歳を過ぎたあたりから基本給が下がることになっている会社もあります。そういうことは社内で話題になっているはずですから知っている方も多いと思います。そうした情報を早めに知っておけば、時間がまだある30代、40代は対策が立てられます。

―― お話を伺っていると、人生が長くなる分だけ、これまで以上に、人生をトータルで見て、入ってくるお金をできるだけ把握するとともに、お金をかけるところを絞っていかなければならないんですね。人生の大きな支出には住宅もありますし、全部にかけるのは難しいということですよね。

内藤 人生の三大支出は「教育、住宅、老後」で、30代では老後の前に大きな支出が2つあります。もし子どもの教育を優先したいのであれば、教育優先でお金をかけます。とりあえず賃貸住宅でよいという場合、将来の家賃に備えた貯蓄だけはしておきます。

 ただ、一点豪華にすると、あとはみすぼらしくなってしまいます。その折り合いのつけ方は、夫婦で決めるしかないんです。ただ、ダブルインカムの家庭は、倍の馬力があるので100年ライフに備える様々な選択肢があります。