夏の親子旅は絆が深まり日常にもプラスに
「親子旅の一番いいところは、時間と気持ちに余裕ができるので、親子の絆が深まること。毎日仕事や育児、家事で忙しいママやパパは、落ち着いて子どもと接する時間が限られています。慌ただしい日常から解き放たれ、自分と家族のためだけの時間を過ごすことで、心にゆとりが生まれ、ゆったりした気持ちで子どもと接することができるんです」
こう語るのは、旅で親子の絆と生きる力を育む“旅育”を推奨する旅行ジャーナリストの村田和子さんだ。一児の母である村田さんは、子どもが生後4カ月で子連れ旅を始め、9歳のときに親子で47都道府県を制覇したという。
親子でゆったり旅に出たくても、普段は週末の慌ただしい日帰り旅行になりがちなのがDUALファミリーの常。そんな中で夏休みは、比較的長く休みが取れるタイミングなので、親子旅には最適だと村田さんは話す。
「子どもたちの日常は、家と保育園、幼稚園などで完結してしまう限られた世界です。非日常の旅に出ると、普段関わることのない人や自然と接する機会も多く、たくさんの“初めての体験”に出合います。それによって五感が刺激され、好奇心も芽生える。例えば、アウトドアなどで一緒に自然体験をして、わが子の新しい一面を見つけたり、何に興味・関心があるのかに気付いたり。そうしたことも夏の親子旅ならではですね」
特に日ごろ、仕事などで帰りが遅く、子どもとコミュニケーションを十分に取れていないパパにとっては、夏休みの親子旅はとことん子どもと触れ合えるいい機会だ。また普段のママの苦労も知ることができる。
「未就学児の場合は身支度一つにしても、ママは子どもの準備をしながら自分の準備もしないといけません。普段あまり育児に参加できていないパパは、そうしたママの日常の大変さや苦労を知り、夫婦の理解を深めるいい機会にもなります。旅行後、パパが育児に積極的に参加するようになったという声もよく聞きます」(村田さん)
長い時間、子どもと感動や喜びを共有することで親子の絆が深まるだけでなく、忙しい日々を忘れてリフレッシュできれば、帰ってきてからの育児や仕事のモチベーションアップにもつながる。夏休みの親子旅は、日常生活にも好影響をもたらす魅力にあふれているのだ。