見た目のきれいさで、理科が苦手な子も関心を示す!
「実験はこれだけです。これだけなら、忙しいお父さんもお母さんも付き合えますよね。ここでは、光というのは、鏡やガラスなどに当たると、光の道筋が変わるということが分かればOKです。色々な色の光を使うと、見ていてキレイなので、理科が苦手という女の子でも関心を示します。もう少し実験気分を味わいたいなら、透明なプラスチックの箱に線香の煙を充満させ、そこに光を当てて光の道筋を調べるという実験もできます」
「また、天気がいい日に外に水をまいて、光の虹を作るのも、子どもは喜びます。低学年のうちは、『わぁ、虹ができた!』と驚きの体験をするだけでも十分ですが、高学年なら太陽の光に対してどのように立ち水をまけば虹ができるか親子で話し合ってみるといいですね」
「光の反射や屈折についての原理が理解できるようになったら、信号はなぜ赤色が『止まれ』なのかなど、理科分野から社会分野へ広げていくのも面白いと思います」
<学習のポイント>
(1) 光を鏡やプリズムに当て、光の道筋を調べる
(2) 光は色によって曲がる角度が違うことを知る
(3) 天気がいい日に外に水をまいて虹を作るのも、同じ原理によるもの。高学年は実験にバリエーションを持たせよう
低学年の自由研究は親子一緒に 楽しい思い出が興味につながる
最後に辻先生はこう言います。
「低学年の自由研究は、とにかく親子で一緒に楽しむことです。研究や実験というと、何かちゃんとした結果を出さなければと思ってしまう親御さんもいますが、低学年なら『やってみた』という経験ができれば十分。例えば豆腐作りなら、『自分で豆腐を作ってみた』という経験を記録に残せればOKです」
「でも、高学年になったらもう一歩踏み込んでもいいでしょう。豆腐を固めるたんぱく質の特性と役割は、6年生で習う『人体』の筋肉の話で登場します。たんぱく質は熱すると固まるという性質を知っていれば、動物性たんぱく質を含む卵を焼くと固まる、植物性たんぱく質を含む大豆を熱すると固まるということが分かります。つまり、料理というのは化学反応と同じなのです」
そう考えると、理科は身近な不思議を知る楽しい教科だと思えてきませんか?
次回は高学年におすすめの2つの自由研究を紹介します。
(取材・文/石渡真由美 構成/日経DUAL 加藤京子)