「豆腐作り」は、小6の理科で習う『人体』の学習につながる

 30分後、型から取り出すと、「うわぁ~、できた!」と大歓声。「早く食べたい! 早く!」と、子どもたちは食欲全開です。

 そこへ辻先生、「ちょっと待った! 完成した豆腐がどんな状態かじっくり見てみようね。レポートに使う写真も撮っておこう」と、慌てて止めに入ります。


型から取り出して完成! 200gの乾燥大豆から10cm×10cm×3cm程度の豆腐ができた

 作りたての豆腐を食べた感想は、

あおい 「おいしい! もっと食べたい!」

すずか 「いつもの豆腐より濃い味がする。おいしい!」

さえか 「おいしいからもっと作りたい!」

 と大好評でした。


おいしい!! と味も大好評。あっという間になくなった

 辻先生はこう話します。

 「豆腐はスーパーに行けば安く簡単に手に入るし、豆腐は大豆からできていて、大豆にはたんぱく質があり、たんぱく質は熱やにがりを加えると固まると教えてしまえば、それまでです。でも、お父さんやお母さんと一緒にひと手間かけて作ることで、夏の楽しい思い出になります。子どもは楽しい思い出は忘れません」

 「理科分野に限らず、自由研究の目的は、物事に興味・関心を持つことです。小学生の子どもたちにとって、今日の豆腐づくりは、『みんなで一緒に作って楽しかった』『自分たちで作った豆腐はおいしかった』という感想しかないかもしれません。でも、それでいいのです」

 「この自由研究は、6年生の理科で習う『人体』の学習につながっていきます。『たんぱく質は熱やにがりを加えると固まる』の先行体験です。原理が理解できるのはまだ先のことですが、『固まった!』という事実を目撃したことが大事。このときのインパクトが、のちに授業で出てきたときに、『あ、あのときの豆腐作りは、そういうことだったんだな』と気づかせます。自由研究にはそういうきっかけがたくさん隠れているのです」

実験①【親子で挑戦! 手作り豆腐】

所要時間:2日間(作業工程(2)以降は約1~2時間)
対象:小学1~3年生

〈用意するもの〉
・乾燥大豆 200~300g
・木綿の布 縦横30~40cmくらい
・にがり 適量
・水 適量
・牛乳パック(10cm程度の高さにカットし、側面に穴を開ける)
※型がない場合に代用

〈作り方〉
(1) 乾燥大豆を水で戻します。丸一日(夏場なら一晩)水に漬けておくと、大豆が柔らかくなります。
(2) (1)をミキサーに入れ、水を大豆が浸るくらいまで加え、ペースト状にします。
(3) (2)をヘラでかき混ぜながら、10分程度熱します。あくが出てきたら取ります。
(4) (3)を冷まして、木綿の布でこします。
(5) (4)と同量の水を鍋で熱して、少しずつにがりを入れます。温度が高過ぎるとうまく固まらないので、70℃前後で熱します。調理用の温度計があるといいですね。
(6) 固まってきたら、おたまですくい型に流し込み、上から重しをします。型は後で水が流せるように穴が開いたものを使います。なければ、牛乳パックに穴を開けて代用します。
(7) 固まったら型から外します。手作り豆腐の完成です!

<学習のポイント>

(1) 普段口にしている加工食品がどのように作られ、変化するかを体験する
(2) 大豆に含まれる「たんぱく質」は熱やにがりを加えると固まるという過程を見る
(3) 最初は「楽しかった」という感想で十分。小6の理科で習う『人体』の学習につながる