メリット1
「次に」やるべきことが分かる

 子どもは「今」という瞬間を生きる生き物。大人からすると「あと10分で家を出なきゃいけないのに、まだテレビを観ている……。どうするつもり?!」と不可解に感じても、子どもは純粋に「目の前のこと」に夢中になっているだけなのです。

 やるべきことに気づかせるには「早く着替えなさい!」と口で伝えることもできますが、これを毎回繰り返すとお互いに疲れますよね。だから、いつでも開ける手帳に書いておくのです。「朝7時半になったらやること」をリストアップするページを作って、「着替え」「歯磨き」「ハンカチの用意」というふうに具体的な行動を書き出しておきましょう。親からは「手帳見てね」というだけで、子どもは次にやるべきことをすぐに目で確認できます。「怒られてからやった」のではなく、「自分で手帳を見て行動した」という実感が持てるので自信にもつながります。

メリット2
「いつやるべきか」を考えられる

 子どもは大人のような時間感覚をまだ身につけていません。「あと20分しかないよ!」と急かされても、その20分間がどれくらいの長さなのか、20分間で何と何ができるのかというイメージがすぐにわかないのです。

 私は手帳に「付箋」をフル活用することで、「何をいつやるか」を計画する方法を提案しています。付箋1枚につき1つ、やることを書き出し、それをどの時間帯にやるか、手帳のデイリーページに貼っていくのです。20分間のうちに5つのことをやろうとしたけれど実際には4つしかできなかったというときには「じゃ、いつやろうか?」と再調整。このトライ&エラーを繰り返すことで、子どもはだんだんと時間感覚が身につけられるのです。漠然とやっているだけではつかめない時間の感覚を、手帳というモノに落とし込むことで理解しやすくなるんですね。