宋先生自身の出産も、一人目と二人目では状況が違った
長女を35歳、長男を39歳で産んだ産婦人科医の宋先生。自身も30代半ばでの出産と、40歳近い出産では、違いがあったと振り返ります。
「いずれの妊娠でも妊娠糖尿病になりましたが、空腹時の血糖値は一人目のときは60台でしたが、二人目のときは80台まで上昇。血圧も二人目妊娠時には早めの段階から上がりやすくなったので、母体年齢が4歳違うだけでリスクが高まるのだと自らの体で実感しました」
とは言え、年齢にとらわれ過ぎないでほしいとも話します。
「妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病などのリスクは、母体年齢が上がるほど高まりますが、母体年齢が低くても起こり得ることです。私の診ている高齢の妊婦さんは、おおむね無事に出産されています。知識として知っておくことはもちろん大切ですが、あまり年齢にとらわれ過ぎないようにしましょう」
年齢別特集第1回では、妊娠中の過ごし方で一般的によく言われる「冷え」「塩分」「体重増加」の三大注意点について、「太らない」「冷やさない」「塩分は控える」は間違いであること、さらに、第2回では、妊娠中「あれもこれも食べちゃダメ」は大きな誤解で“食べてはいけないもの”“量に気を付ければ食べてもいいもの”に分けられるということを宋先生が解説しました。良識の範囲内で、過度に気にする必要がない妊娠中の過ごし方がある一方で、母体の年齢が上がると増える妊娠中のリスクも少なからずあります。
次のページからは、高齢になるほどリスクが増える合併症と赤ちゃんへの影響について宋先生が解説、さらに、暑さから運動不足になりがちな夏におすすめの運動法についても教えてもらいました。