「家族の笑顔を増やすプラットフォームを作りたい」

―― 「るくみー」は、事業所内で撮影した写真を登録した会員がインターネット上で写真を閲覧したり、購入できたりするサービスです。どんな特長があるのでしょうか。

土岐 家族が集まるようなメディアや子育てプラットフォームを作りたいと考えたときに、まず子どもの写真をネット上で共有できるサービスを作りたいと考えました。初めは、ママが家庭で撮った子どもの写真や動画をおじいちゃん・おばあちゃんと共有できるサービスをと考えていましたが、ママも忙しいし、家の中で個人が撮るだけだと写真のバリエーションも限られてしまう。だったら、保育園のわが子の様子を写真でもっと見ることができて、それが両親だけでなく、離れて住む祖父母とも共有できたら、家族のコミュニケーションも増えるし、素晴らしいコンテンツになるというアイデアが生まれたんです。

―― 「いいね!」や「コメント」もつけられる双方向通信もついていて、遠方に住むおじいちゃん・おばあちゃんとのコミュニケーションツールとしても楽しめますね。

土岐 これまでは保育園の壁にズラリと並べられた写真を、手動でチェックして申し込むというところがほとんどでした。数百枚の中から自分の子どもの顔を探し、さらに写りの良い写真をセレクトするという作業は、それだけで結構大変ですよね。「るくみー」では、「こどもの顔認識技術」により、園内で撮影した膨大な写真の中から自動的にわが子の写真を識別して表示するので、写真を探す手間が大幅に省けます。

―― それは、便利ですね。余裕がないときは、自分の子どもの顔に気づかず、数点買いそびれたということも少なからずあったと思います。

土岐 撮った写真が全自動でサーバーにアップロードされるというのも特徴です。これは弊社独自のシステムで、インターネット上に自動で子どもの顔を認識し、クラスを識別し、全自動でサーバーにアップロードできるということで、保育士がこれまでデータ整理にかけていた手間が5分の1ほどに軽減されるんです。おかげさまで現在1600施設、10万人の子どもたちを対象に利用していただいています。

<るくみーサービス利用の仕組み>

保育士または見守りロボットMEEBOが園児の日常を撮影
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自動アップロード(クラス指定をすれば自動で仕分けもできる)
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るくみーがわが子の顔写真を登録、顔認識機能により検索されたものの中から保護者が希望の写真をセレクト・購入(クレジットカード決済またはコンビニ決済)
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コメントや「いいね!」で遠方の家族とも双方コミュニケーション可能

<3つのセキュリティー体制>

・ 家族別パスワードの設定
・ 画像ブロック
・ 24時間365日体制のセキュリティーシステム搭載

―― 保育園への導入には、子どものプライバシーの問題などご苦労もあったのではないでしょうか?

土岐 そうですね。私たちもプライバシー保護の点は厳重にシステムづくりを進めましたが、実際は保護者から同意書いただくときに反対意見はほとんどありませんでした。ただ、起業当初は、保育園業界とのつながりがなかったため、保育園への営業には苦労しました。