子どもに集中し過ぎず、自分自身の人間関係や趣味の時間を大切に
ひとりっ子に限らずですが、子育てにおいては、閉鎖的な環境にならないように第三者の助けを借りることがとても大事です。ずっと親子だけで過ごしていると、客観的に感情をコントロールすることが難しくなることがあります。そんなときに、助け船を出してもらえる人、相談に乗ってもらえる人をぜひ作っておきたいですね。
私も子どものころ、母に叱られているとき、「ピンポーン」と玄関のチャイムを鳴らし、「~さん(母のこと)は怒ってばかりね」と明るく来てくれる近所のおばさまがいました。あの「ピンポーン」の音には、本当に救われたものです。また、近所のお兄さん、お姉さんに毎日のように遊んでもらっていましたが、その輪の中にいると、末っ子の振る舞いができるのがとてもうれしかったのを覚えています。そうやって親子で孤立しないようにしておくと、何かのときに救われたり、家では学びにくい人間関係を学んだりすることができますね。
さらに、親自身が気を付けたいのは、子どもばかりに集中し過ぎないように、普段から自分自身の人間関係を大切にしておくということです。
まずは何よりも夫婦関係。そして、おじいちゃん・おばあちゃんを含めた親戚との関係、自身のお友達との関係など。また、パパやママ自身が、自分の大好きなことをする時間をきちんと持てているか、ということもいま一度振り返ってみてください。
自分を取り巻く人間関係が良好で、自分の好きなことや趣味の時間を少しでも持てていれば、子どもに集中し過ぎるのを防ぐことができます。
色々配慮しなくてはいけないこともあるひとりっ子ですが、一方で、大人に囲まれて育つことで、大人に慣れ、同世代の子とでないと遊べない、ということがあまりないように思います。
大人になってからも、年上との付き合いがとても上手だな、と思ったら、ひとりっ子の方だった、ということがよくあります。パパやママからすると、子どものころはスピード感や要領の良さがなかなか身に付かず、不安に思うこともあるかもしれませんが、将来的に自分で人間関係を築けるようにしていかなくてはいけないことを考えると、これはひとりっ子ならではのすてきなことだなと思います。
子どもを見るときには、ついつい近視眼的になってしまいますが、将来にわたってずっと自分がそばにいて、最後まで見届けることができないのが子どもです。親から自立していったときに本人が困らないように、どんな経験をさせ、どんな距離感で関わっていくのか、夫婦で話し合いをしながら見守っていけるといいですね。
(写真/澤田聡子、鈴木愛子)
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