マイナス金利政策の影響もあり、銀行預金の利息ではお金が増えない時代。こんな時だからこそ株式投資を始めてみたいけれど、なんだか損をするのが怖い、と二の足を踏んでいる方はいらっしゃいませんか?

 株式投資というと株価の値上がりや値下がりによる「大儲け」や「大損」の話ばかりが目立ちますが、よい銘柄を長く保有し、こつこつと配当金をもらうという方法もあります。

株式投資の3つのメリットは「値上がり益」「配当収入」「株主優待」

 株式投資を行なうメリットは大きく3つあります。それは「株価の値上がり益」、「配当収入」、そして「株主優待」です。

 もし購入した株の株価が上昇して、買ったときより高く売ることができればその差額が儲けになり、株価の値上がり益を手にすることができます。これは株式投資の中でも最大の醍醐味ですが、初心者にとって安く買って高く売ることはそう簡単ではありませんし、損をしたらどうしようと悩む方もいらっしゃるかもしれません。初心者はデイトレードのような日々の値上がり、値下がりによる投資ではなく、じっくりと銘柄を見極め、将来にわたって成長していくであろう銘柄に投資するという長期的な視点が重要です。また、よい銘柄に投資できれば、配当金を安定的に得ることも可能です。さらに、株主優待を実施している銘柄であれば、優待品をもらうこともできます。

東証一部上場企業の平均配当利回りは銀行預金の金利よりも高い!

 では、配当金とは、どのようなもので、どのくらいもらえるものなのでしょうか。

 配当金は、企業が事業活動によって利益を得たときに、出資者である株主にその利益を還元するものです。配当金の額は企業の業績に応じて変わり、もし業績が極端に悪い場合などは、配当0円(無配)ということもあり得ますが、業績が好調であれば配当金も増えていくことが期待できます。

 どのくらいもらえるか、という観点では、投資した金額に対してどの程度配当金がもらえるのかがわかる「配当利回り」という指標に注目します。配当利回りは1株当たりの配当金と株価から算出します。仮に株価が1,000円で、配当金が10円(年間)だとすると、配当利回りは10円÷1,000円×100=1%です。ちなみに、日本取引所グループ*)が毎月公表しているデータによれば、東証一部上場企業の配当利回りの平均は1.92%にもなります(加重平均利回り、2017年4月)。中には利回りが3~4%という銘柄もあります。資産運用という点から考えると、銀行の普通預金などに比べてはるかに高い利回りになることがおわかりいただけるかと思います。

 ただし、単純に配当利回りが高いから良い銘柄だとは言い切れません。株価が上がると配当利回りは下がり、株価が下がると配当利回りは上がるからです。株価が大きく下落したことで高い配当利回りになっている銘柄が含まれているかもしれないことには注意が必要です。

*)出所:日本取引所グループホームページ「その他統計資料(株価平均・株式平均利回り)」