教育や子育てに関する数多くのベストセラーを持つ、教育環境設定コンサルタントの松永暢史さん。数多くの子どもたちを超難関校に合格させた実績を持つ「受験のプロ」が、あえて公立中学校を選ぶ意義について語ります。真に子どもを賢くする教育とは何か? 松永さんならではの「ネットで書けるギリギリの」メッセージをお届けします。今回は、中学生になる前の家庭教育についてトコトン語っていただきました。語り過ぎで、文字数超過の第4回です!

学力差の激しい公立中で、ブレない軸を作れるか?

 公立中学には、いい意味でも悪い意味でも「いろんな子」がいます。その中で得られる経験は、私立中高一貫の純粋培養生活の中では決して得られない、リアル社会勉強であると第2回でもお話ししました。しかもタダで、家から近い。

 いい部分は案外多いのです。その一方で、問題も確かにあります。いろんな子がいるということは、学力差も大きいということです。それが教室に40人です。

 プロ家庭教師の私に言わせれば、グループ学習の限界は最大で10名です。でも日本の学校で1クラス10名は不可能。だったらせめて、同質&同レベルの子を集めて授業しよう、それが私立中学のやり方です。

 では、公立中学は? 正直言って、混迷しています。

 生徒の人数は多く、学習内容の到達度にはバラつきがあり、レベル差は開く一方。教師たちは「いったい誰に向けて授業すればいいのか?」と困り果てていると聞きます。そんな中だからこそ、公立中に入ったら上位30%をキープしなくてはいけません。至上命題といってもいい。それがこの社会で生き延びるための最初の関門だからです(第3回参照)。

 では、混乱の中で周囲に引きずられず上位をキープできる子とはどんな子なのか。それは中学入学までの育て方に、ある共通点があるのです。キーワードは「国語力」と「体験」です。