いわゆる生き甲斐てやつでしょうか。自分の才能と成長のあんばいで計ってみると、人生が80年とか90年というのは仕事をするにしては本当に短いなあ、と痛感する。

100年間、仕事だけに集中したい

 長編書くのに3年かかるとして、30年規則正しくやっても10冊も書けないんである。そこに子育てとか他の仕事なんかが入ってスケジュールが大幅に狂って、この数年、頭がおかしくなるほど焦っている。うん、やっぱり仕事のことを思うと、仕事だけに100年は集中したいなあ、とわりと真剣に思ったりするのである。そしたらこう、理想じゃないけれどこれは!と思えるかたちに近づけるのではないか、とか。

 しかし、子どもができてからというもの、「健康で、できるだけ長く生きていたい根性」はさらに強くなり、85歳まで生きるとしても(図々しいですかね……でもうちはなぜか長寿の家系でみんな95歳オーバーなんですよね)、「あと50年しかないやないか!」とけっこう憂鬱になるんである。そんなことを友人と話していると「寿命」についての興味深い話を聞かせてくれた。

 彼女はリンダ・グラットンのベストセラー『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』を読んだそうで、それによると人間の平均寿命はぐんぐん伸び続けており、たとえば1977年生まれの人の50%が到達する年齢は95~98歳、との推計がでているのらしい。さらには2007年にアメリカ、カナダ、イタリア、フランスで生まれた子どもの50%は少なくとも104歳まで生きる見通しで、そして日本の2007年生まれの半分が107歳まで、さらに2014年生まれの子どもたちに至っては、109歳まで生きるのらしい。おお……。100年前に生まれた人が100歳まで生きている確率は1%だったことを思うと、隔世の感がものすごい。