完璧主義を捨て去り、料理や家事を家族とシェアする

 料理や家事を家族とシェアするコツは、完璧主義を捨て去ることです。

 夫や子どもに家事を頼むと、かえって自分の仕事が増えるのが嫌というママもいます。洗ったはずのお茶わんにご飯粒が残っていたり、洗濯物を自分と同じように畳めなくても、掃除機のかけ方が甘くても、ここは我慢。一度もそういったことをしたことのない人が初めてやったことに対して、寛容であるべきです。相手はゼロスタートなのだから、そこで怒ってしまうと台無し! 少々出来が心配でも任せてしまいましょう。

 「できたね」「ありがとう」を繰り返せば、少しずつ上達します。そうすれば何より、自分自身がラクになれます。

 ちなみに、私の場合はひとまず褒めて、その後10倍くらい落とします。洗濯物を畳んだら、まずは「すごい! よくできたね」と褒めておいて、「でも、これ、次に着るときにしわくちゃになってるよね」というように、褒めて落とす。厳しいと思いますか?

 でも、うちの娘はしっかり寝て、朝日を浴びているためセロトニン(物事を楽観的に捉えられる働きのあるホルモン)の分泌がたっぷり。おかげで、楽天的な性格なので、ダメだしされても全くへこたれません。

 以前はご飯茶わんを洗えば、ご飯粒が残っている始末。私に「あなたが洗ったお茶わんにご飯粒がついているけど」と言われていましたが、そのたびに、「お湯をかけて後でお茶漬けにして食べる」などと冗談で返してきます。それに対して、私も「そうだね。あなたのおなかも丈夫だしね」などとさらに返しているのですが、このようなやり取りをしているうち、いつの間にか洗い物も上達していきました。

 洗い物をしてもらって汚れが残っていたら、「ちょっとこのご飯粒は何! 洗い直さなくちゃいけないじゃないの!」と腹が立つ人もいるかもしれませんね。私自身は普段からしっかり眠っているおかげで気持ちに余裕があります。もちろん、死ぬか生きるかのことに関しては、何をどうしようと根性を入れて怒りますが、ご飯粒のついたお茶わんごときではなんのそのです。

 生活において、寝ることを最優先にしていると、こんなふうにささいなことでイライラすることがなく、自然と笑顔が多くなります。子どもも多少のダメだしにへこたれなくなり、軽口をたたきやすいのでしょう。わが家の場合、そのほうがお互いにストレスがたまりません。

 たとえお茶碗にご飯粒がついたままだとしても、汚れた食器がシンクにたまっているより、食器を洗ってあるほうが断然いいと思いませんか。継続して家事に参加してもらえば、いつの間にか上達して、もっと楽ができるようになるのです。