子どもに小さいころから英語を習わせたいと考えているDUAL読者の中には、「将来、グローバル人材に育ってほしい」という思いを持っている人も多いのではないでしょうか。「グローバル企業で働く」というと、華やかでかっこいいイメージがあるがゆえ、子どもの将来の職場として親が漠然と憧れるケースもある一方、実際にグローバル企業で働いている人からは「意外とコネクション文化」「突然の解雇がある」など、気になる声が聞こえてきます。
 そこで今回は、グローバル企業の日本支社で働いた経験のある3人のDUAL読者に、「グローバル企業の実態」について話を聞きました。

【子どもが幸せになる将来のおしごと 特集】
第1回  子に好きな道歩んでほしい親が多数 読者アンケート
第2回  好き・夢中を信じる力こそが子の幸せキャリアの近道
第3回  私を後押ししてくれた「アシスト賢母」の言葉と教え
第4回  子どもを持つ親に人気「グローバル企業」のリアル ←今回はココ
第5回  4つのスキルさえあれば、子どもが世界で通用する

【話を聞いた方々のプロフィール】

Aさん(44歳、女性):
新卒で日本企業に入社。在職中に社内留学制度にて、米国へMBA留学。帰国後数年勤務の後、米国系IT企業へ転職。現在は2つ目の米国系IT企業で勤務。

Bさん(37歳、女性):
新卒で国内都市銀行に入社。約4年半の勤務を経て欧州系投資銀行に転職し、約8年勤務。その後、米国系証券会社へ転職し、現在に至る。

Cさん(43歳、女性):
新卒で日本企業に入社。数年勤務の後、欧州系証券会社に転職。その後、イギリス留学と現地企業での勤務を経て、帰国後は2つ目の欧州系証券会社で約4年勤務。その後、日系証券会社に転職し現在に至る。

グローバル企業にコネクション文化はある?

日経DUAL編集部 グローバル企業では、「上司が転職すると部下もついていく」などの例を聞いたことがありますが、実際のところ、コネクション文化はあるのでしょうか?

Aさん 今勤めている会社では、社内推薦が推奨されているので、誰かの知り合いで入社してくる人というのはすごく多いです。逆に、誰かが退職し、その人に誘われて辞めていく人もいます。でも、基本的に個々の意思がはっきりしている人が多いので、ついていくのもいかないのも、本人の意思次第だとは思います。

Bさん コネクション文化は強いと思います。金融業界の場合、特に収益に関連する部署であるトレーダーやセールスは、その傾向が強いですね。一方で、人事、経理などバックオフィス系の職種の場合は、コネクションがなくても転職する人もいます。

Cさん 収益に直結しているほどコネクション文化だという印象があります。人とのつながりで会社を移る人は日本企業では上層部だけですが、外資系の場合、現場のヘッドに人事権があるので、より頻繁に目にします。

―― コネクション文化があるということは、人間関係も重要だということですか。

<次ページからの内容>
・グローバル企業の社員はアピール力がすごい!
・職場に漂う「そろそろ切られるかも…」ムード
・英語は仕事のなかで身に付くものも多い
・グローバル企業で英語力はどれくらい必要なの?
・日本企業は社員を小学生のように扱うと感じることも
・グローバル企業で働くうえで大事な能力とは