「親の敷いたレールに乗ってほしい」という回答者はゼロ
子どもがいる働く男女を対象に、子どもの将来の仕事について日経DUALが実施したアンケート(2017年6月実施)では176人が回答。平均年齢は38.5歳、うち女性が86.9%、正社員比率は77.3%だった。子どもの人数は「2人」が47.7%と最も多く、次に「1人」(40.9%)、「3人」(10.2%)と続いた。
まず、子どもの将来の仕事に対して、親としてどういう姿勢でありたいか?という質問について。圧倒的多数だったのは、「子どもが自分で選んだ道と納得したら応援したい」(65.9%)という回答だった。
続いて回答数が多かったのは「親の考えを押し付けたくはないが、要所要所で親のアドバイスを受け入れてほしい」(25%)というもの。“仕事のリアル”を肌で知る社会人の先輩として、言いたいことは実はたくさんある。そんな本音が垣間見える。
一方で「親の敷いたレールに乗ってほしい」という回答者はゼロ。全体的に「子どもの意思を尊重したい」という思いが強く感じられる傾向だ。だからといって「子どもは自分と違う人格なので、一切口を出さない」とまで言い切れる人は8.5%にとどまった。
共働きならではの家族環境の特徴といえば、両親ともに働いているため、親自身が社会と密接につながっていること。自分の仕事の話を通じて、子どもと一緒に将来の仕事について考える機会を広げることもできるのではないか。実際の状況はどうかと見てみると、「お子さんに自分の仕事の話をすることはありますか?」という質問に対し、「よくある」「たまにある」と答えた人は7割超。うち「よくある」と答えた人は2割だった。
では、実際にどんな話をしているのか?
具体的内容として挙がった上位項目を見てみると、「その日の成功・失敗談」(24.4%)や「その日の忙しさについて」(17.3%)など、当日のできごと報告が目立つ。夕食を一緒に食べながらの話題として、「あ~、今日も参っちゃった! こんなことがあってね……」などと子どもに話す人が多いようだ。
他方、「仕事のやりがいや楽しさについて」と回答した人も18.1%に上る。働くことをポジティブに伝えることは、子どもの職業観にもプラスの影響があると考えてのことか。「仕事の愚痴や不満について」話すという人は0人だった。
約6割が自分と同じ職業を薦めたいと思わない
子どもにとって親は最も身近な“働く大人”のロールモデル。そもそも子どもに自分と同じ職業を薦めたいと思うことはあるか? という問いに対しては、なんと6割が「ない」。自分と同じ職業の道を、わが子にも歩んでほしいとは思わないという人が多数派となった。