「将来、お子さんに『就いてほしい』と、漠然と、もしくは明確に思う具体的な職種はありますか?」という質問を投げかけると、「ある」と答えた人は3割いた。半数に届かないまでも3人に1人の親が「できればこういう仕事に就いてくれたらな……」あるいは「あの職業を選んでほしい!」という願いを抱いているということだ。

 では、それはどういう職業なのか? というと、1位「専門職(医療関連)」(26.4%)、2位「経営者・役員」(17%)、3位「研究・開発」(13.2%)と、いずれも手堅い職業。ツートップは医者か社長という、分かりやすいほどに「高収入」と「社会的地位」の象徴的存在だった。

 ちなみに、「お子さんに、父親、または母親と同じ仕事を薦めたいと思うことはありますか?」の質問に「ある」と答えた人の職種で多かったのも、「専門職(医療関連)」(52.9%)、「研究・開発」(42.9%)となった。

 一部の親の本音として見えてきた「高収入職業に就いてほしい」という思い。ここで改めて全員に向け、ズバリ、聞いてみよう。

 「将来、お子さんにどのような仕事をしてほしいと思いますか?」

 あえて具体的職種ではなく、就業形態で分析した回答結果は、「会社員」(34.7%)がダントツの1位。続いて「士業」(10.2%)となった。意外だったのは、“安定”の象徴と言われる「公務員」(5.1%)よりも、「起業家」(8.5%)や「フリーランス」(5.7%)が上回ったこと

 チャレンジングであっても、やりたいことを追求してほしいという思いは、「お子さんが仕事を選ぶとき、何を重視してほしいと思いますか?」という質問への回答にもよく表れている。

 「好きなことや得意分野を生かせる業種・職種かどうか」「やりがいや楽しさ」が同率1位でそれぞれ32.4%を占めたのだ。

 さらに集計を分析してみると、「一定の生活水準を望める給与や待遇」を重視する人は会社員や公務員を希望する傾向や、「好きなことや得意分野を生かせる業種・職種かどうか」を重視する人は起業家やフリーランスを希望する割合が多い傾向が見られた。

 ちなみに、先の「子どもにどんな仕事をしてほしい?」の回答選択肢にあった「専業主婦(夫)」を選んだ人はゼロだった。