味噌や塩麹、甘酒など私たちの体を元気にしてくれる発酵食。手作りするにはちょっと気合が要りますが、夏休みのイベントの一つとして親子で作れば楽しく仕込みができます。仕込んだ食材が時間の経過とともに発酵し、熟成していく姿を観察すれば、子どもの夏休みの自由研究にもなって一石二鳥!
 今回は、そんな暑い盛りに作って食べて元気になれる、「大豆の白味噌」作りに子どもたちが挑戦します! 教えてくれるのは、日本の伝統的な食文化を現代風にアレンジして伝える、くらしデザイナー・濱島展枝さん。夏の発酵・保存食作りの模様を全4回にわたってお届けします。

見て、触って、香りを嗅いで……。五感で楽しむ味噌の仕込み作業

 「では、これから大豆の白いお味噌を作りますよ! ゆでた大豆と、お塩を混ぜた麹をポリ袋の上から手で潰していくんだけど、やりたい人~!」

 濱島さんが元気よく掛け声をかけると、「はーい!」と威勢よく名乗りを上げた子どもたち。恥ずかしいのか、まだそばでじっとみんなの作業を見つめる子どももいます。

「こうやって手をグーにするとつぶしやすいよ」との濱島さんのアドバイスに子どもたちは一生懸命手をグーに
「こうやって手をグーにするとつぶしやすいよ」との濱島さんのアドバイスに子どもたちは一生懸命手をグーに

 7歳の女の子が「大豆のいい匂いがする~! かいでみて~」とみんなにポリ袋の中身を嗅がせてくれました。一番小さい子も思わずやってみたくなったのか、途中から参戦! 一気につぶし作業が進んで、早くも大豆はペースト状に。

 特に気温の高い夏の時期は発酵も進みやすいため、作業を始めて5~6分ぐらいで味噌のようなペースト状になるのだそう。

「おいしいお味噌にな~れ!と思いながら、一つ一つ小さなお豆もつぶしてあげてね」と濱島さんが言うと、子どもたちは熱心に指でつぶしていく
「おいしいお味噌にな~れ!と思いながら、一つ一つ小さなお豆もつぶしてあげてね」と濱島さんが言うと、子どもたちは熱心に指でつぶしていく

 「大豆を指でつぶせるほど柔らかく煮るには、一晩水に浸し、しっかりと1時間ほどゆで上げるといいですよ。ちょっと下準備が面倒ではありますが、前日の晩からお子さんと一緒に大豆をお水に浸しておけば、翌朝お豆が水をたっぷり吸い込んで膨れる様子も観察できます。ぜひその時間も自由研究のように楽しんでいただけたら」と濱島さんが親御さんに向けてアドバイスしてくれました。

 途中、種水(大豆のゆで汁)を入れて硬さを調整して、好みの粒の大きさまでつぶし終わったら、次は子どもたちがいかにも喜びそうな作業に入ります。