ここからは、「知ろう小児医療 守ろう子ども達の会」のメルマガから、行政保健師・看護師の横内瑠里子さん、医師の佐山圭子先生による、子どもの事故に関する対策をまとめました。

子どもの成長に合わせた事故発生の注意ポイント

 日々変化する子どもの成長は喜ばしい反面、思わぬ危険につながる可能性が増えることにもなります。発達段階に応じた「特に注意すべきポイント」を押さえておきましょう。

0~3カ月ごろ……窒息
 ねんねの赤ちゃんは、周囲の環境をよく確認し、ガーゼや寝具などが顔にかかって窒息する危険を回避しましょう。

3カ月~7カ月ごろ……転落
 首が据わり寝返りをするようになったら、ベッドやソファなどからの転落に注意しましょう。

7カ月~11カ月ごろ……誤飲、打撲
 一人座りをし、ハイハイ・つかまり立ちを始めると増えるのが誤飲です。また、お座りが安定しないことによる「打撲」の危険も高まります。

 上記はあくまでも目安で、予測のつかない動きもあります。特にベッドからの転落は、生まれた直後から注意が必要です。また、子どもは日々成長するため、「昨日できなかったことが今日できる」こともあると、頭に入れておきたいものです。

1歳前後……室内での溺水
 溺水はプールや海・川だけで起こるものではありません。家庭での溺水は、1歳前後で多く発生しているといわれています。ほんの2~3cmでも水がたまっている場所があれば溺水する可能性があります。

→対策としては

・子どもが小さいうちは浴槽の湯を抜いておく

・子どもを浴室で一人にしない

・大人が髪の毛を洗うときは子どもを浴槽から出す

などの注意が必要です。公園やマンションのエントランスなどの水場にも、十分注意しましょう。

 また、来客時や旅行中など、いつもと違う状況に置かれた子どもは、はしゃいだり、思わぬ行動をしたりと、事故に遭うことが多いもの。初めて行く場所では段差や水場など、あらかじめ危険箇所の有無を確認しておくとよいでしょう。

窒息の予防は、目配りと日ごろの「安全教育」から

 「窒息」「誤飲・誤嚥」を防ぐためにできることを紹介します。

子どもの身の回りに危険なものがないか、まずは確認!
 子どもが小さいうちは、時々床にうつぶせになって、子どもの目線で危険なものが落ちていないかを確認しましょう。

誤飲による窒息の可能性が最も高まる「食事中」は特に注意
 ふざけたりあおむけになったりしない、口に大量に詰め込まない、よくかむなど、日ごろからマナーを身に付けられるように伝えましょう。周囲への迷惑ではなく、それが自分の命を守ることになります。

「異物が喉に詰まる」以外の窒息も
 ビニールなどの袋をかぶる、マフラーを巻き込む、スタイのひも・シートベルト・カーテンタッセルが首に絡まるなどで、窒息の危険があります。フードのある服のひっかかりにも注意が必要です。

 乳児はまず環境を確認し、成長とともに「袋をかぶることの危険」などを伝えます。

→万が一窒息(異物)したら

 異物の除去に効果的な「背面殴打法」は、人形を使って練習をしておくのがおすすめです。人形を実際にたたいてみて感覚をつかんでおくことが大切。

 「こんなに強くたたくの?」とびっくりされることもありますが、窒息しているなら、たとえ骨が折れても異物を取り除くまで背面殴打を行うことが大切です。