マイホームの購入時にはないと困るけれど、できれば早くお付き合いを終わらせたい……それが住宅ローンではないでしょうか。
そして、住宅ローンには、税金の一部が減額される住宅ローン減税という制度も関わるため、「住宅ローンの繰り上げ返済を早めに頑張ったほうがトクなのか、それとも、住宅ローン控除を目いっぱい受けたほうがトクなのか?」という質問をよくいただきます。
結論を一言でいうと、カギを握るのはローンの「金利」。では、シミュレーションを交えて、検証してみましょう。
繰り上げ返済は早めにコツコツか、まとめてドーンのどちらがトク?
繰り上げ返済とは、手元にあるお金で住宅ローンの元金を返済し、それにより、将来の利息負担を軽くすることができる返済方法です。
繰り上げ返済には2種類あるため、実行時にはどちらかを選択します。
一つは、早く返済を終えることができる「期間短縮型」(毎月返済額は変わらない)です。もう一つは、返済期間は変わらないけれど、毎月の返済額が少なくなる「返済額軽減型」です。どちらも将来支払う利息を節約する効果がありますが、DUAL読者においては、「定年までに住宅ローンを終わらせたい」というニーズが高いのが実情です。
そこで、このあとは、「期間短縮型」の繰り上げ返済を利用した場合で、繰り上げ返済の効果を試算してみましょう。
繰り上げ返済は、タイミングがポイントです。そこで、2000万円を金利1.5%と0.6%(固定金利)、借入期間35年で借りた場合の繰り上げ返済の効果を見てみましょう。
比較したのは、毎年コツコツと100万円を10年間(総額1000万円)で繰り上げ返済したパターンと、10年後に1000万円をまとめてドーンと繰り上げ返済したパターンです。