損得よりも「とにかく早く返したい!」など性格や考え方も加味して

 今回の1.5%と0.6%という例は、シンプルに説明するため、35年間固定金利が続いた状態という条件でお伝えしましたが、現実には、長期の固定金利で借りた方ばかりではなく、変動金利や数年間の固定金利で借りている方も多く、その場合は、半年後あるいは数年後の金利が分からないため、将来の金利上昇による返済額や利息負担の増加も考えておく必要があります。

 どちらがトクかを試算した結果、数万円のソントクであれば、「心理的に早く住宅ローンを返してしまいたい」と考える方もいらっしゃいますし、「繰り上げ返済のおトク度よりも、手元に一定額の預貯金があるほうが安心する」「そのお金を運用して増やしたい」とおっしゃる方もいます。他にも、住宅ローンには団体信用生命保険があるから、もしものときの保険代わりと考える方もいらっしゃいます。

 住宅ローンの組み方が人それぞれ違うように、重視することが経済的な利益なのか、早く返済を終了することなのか、手元に置いておく現金なのか、保障面なのかなど、人によって異なります。あなたに合ったタイミングと目的で実行してくださいね。

 なお、繰り上げ返済のシミュレーションは、金融機関のサイトで行うことができます。住宅ローン減税の残り期間とその減税額をチェックして比較してみてくださいね。もちろん、そんなときに頼りになるのがファイナンシャル・プランナーですから、お近くのファイナンシャル・プランナーへの相談も検討してみてください。

(写真/iStock)