「笑っているパパ」を増やそうと活動を続けてきたNPO法人「ファザーリング・ジャパン」(FJ)の代表として全国を飛び回り、数多くの新米パパ&ママのための両親学級をはじめ、イクボスセミナーなど、数々の講演をこなしてきた安藤哲也さん。「仕事も家庭もうまく回したい!」と思うパパに向けて、人生戦略の組み立て方やそのコツ、考え方などについてお伺いする連載です。第3回目は、前回に続き、家庭内の戦略についてお伺いします。

家事分担のルールは余裕を持たせよう

── 育児・家事の分担を夫婦間でどうするのかというのは、それぞれの家庭の状況によって違うと思いますが、そのあたりはどういう形で決めていくのがいいのでしょうか?

 最近は夫婦同伴セミナーなども開催していますが、そのときには、1日のタイムスケジュールをパパ、ママともにそれぞれ出してもらって、ここの担当はどちらがやるのかということで分担を決めるというプログラムも行っています。そこで分担を決めるわけですが、あまりガチガチに決めてしまわないほうがいいと思います。曜日で当番制にしたりすると、必ずどこかで崩壊してしまいますから。

 わが家の場合は、適材適所制とでも言いますか、家事などは、得意なほうがその家事を積極的にやるとか、やれるほうがやるという感じです。こういうふうに、余裕を持ったルールを決めてやるほうが、僕はいいと思います。

 もし、パパが料理ができないというのであれば、無理やりにでも料理をやらせるというのではなく、「じゃあ、掃除はあなたがやってね」とか「皿洗いは任せるよ」とか。そこは、話し合ったり、お互いに家事をしていれば、得手不得手はすぐに分かるので、話し合って余裕を持ったルールを決めたりするといいでしょう。そうするとプレッシャーもお互いにかからないですし、自分の得意な家事であれば、楽しんで家事をすることができるようになると思います。

 そうやってある程度のルールが決まったら、あとは仕事と同じで、できないことをできるほうがカバーし合うようにするといいでしょう。あとは、これも仕事と同じで、全体の仕事量の効率化ですね。共働きでお互いに忙しいのであれば、アウトソーシングということも考えてみるといいと思います。僕の妻はルンバを導入しようとしたら「とんでもない!」って言いますけど、今の若い世代の人たちはまた違った感覚でしょうから、そういうのは進めていっていいのではないでしょうか。

 育児に関してはまた違った話になりますが、家事に関してはお金で解決できることであれば、どんどんやったほうがいいと思います。お互いに時間がないなかで、稼いでいるのであれば、やったほうがいいでしょう。そうすることでできた時間に子どもと触れ合ったりするなど、家族で過ごす時間を持つことができるわけですからね。