家事はブレインワークができる時間

── なかなか家事をしたがらないパパ自身には、どうアドバイスされていますか?

 洗い物もしてくれないパパに言ってもダメでケンカになる夫婦も多いと思いますが、それは本当に不毛な戦いですよね。争っている間にやっちゃったほうが、お互いに気持ちいいじゃないですか。やはり、家事というのは質より量。毎日の自分のルーティンワークにしてしまえば、そんなに苦ではなくなります。

 皿を洗ったり洗濯物を干したり、家事をするときというのは無心になれます。料理などはクリエーティブな家事ですから脳を使っていますが、皿洗いや洗濯物干しは手だけ動かしているだけですから、頭のなかは空っぽになります。パソコンに向かって仕事するときは、そこに集中するのでそれ以外のアイデアというのは浮かびません。ところが、家事をしながら頭を空っぽにすると、ふといいアイデアが浮かんだりする。つまり、ブレインワークの時間を創ることができるんですよね。義務的にやらされ感で家事をするとつまらないわけですが、ブレインワークの時間を持つことができると思えば、やったほうがメリットがあると思えるようになります。どうも家事が面倒臭いと思うパパは、クリエーティブタイムが持てるんだと前向きに考えてみるといいのではないでしょうか?

やっただけハードルを上げてくるママ対策は?

── 最近、家庭のことで相談を受けることが多いトピックなどありますか?

 家庭のなかでの相談事としては、最近は夫婦関係の悩みの相談が多いですよね。ママからは、家事をしない夫への不満といったものが多いですし、パパからは、家事をやればやるだけどんどんママがハードルを上げてくるのでどう対処したらいいのかといったものですね。

 育児に関しては、パパ向けの本もかなり出てきているし、「おとうさんといっしょ」という番組もできたくらいですからね。そういうのは、しっかりとしたコンテンツでもあるし、パパとしても子育てに関してはノウハウが蓄積されます。でも、夫婦関係のことに関しては、ノウハウをいくら蓄積してもダメなものはダメですから。やはり、お互いが家庭という会社の共同経営者としてちゃんとできているかどうかという話なんです。

── ちなみに、やっただけハードルを上げてくるママに、パパはどう対処すればいいのでしょうか?

 例えば、料理もするようになったパパに対して回数を増やすように言われたのであれば、「キミのおかげで向上心が芽生えたよ。将来、飲食店でもやろうかなあ?」なんて、サラっと言えばいいんじゃないでしょうか? 僕もそういうことを言いますけど、すると、「あんたにできるわけないでしょっ!」って切り返されます(笑)。そういう会話をしているときって楽しいじゃないですか。いちいち真に受けて反発するのではなく、サラっとかわして楽しい会話に持っていくだけでいいと思います。