子育・介護の両立ノウハウや先進企業12社の実例などを一冊にまとめた日経DUALの書籍『育児&介護を乗り切る ダイバーシティ・マネジメント イクボスの教科書』から、「今、介護の現場で何が起きているのか?」の一部を抜粋してお届けします。今回は、チームリーダーなど管理職の悩みに、ダイバーシティコンサルタント・渥美由喜さんが答えます。また、社員に言ってはいけない「介護NGワード」のアドバイスも紹介します。

Q. 介護が理由で部下の休みが多くなるのは、正直、痛手。会社としてどのように支援したらいいのか分からない。

A. チャレンジ・チェンジ・チャンスの「3つのCH」で部下を“介護プロジェクト”に出向させるつもりで送り出す。

 働き手の3人に1人が介護しながら働く時代」に突入していくこれからの時代において、企業がいかに前向きな姿勢で社員の「介護とキャリアの両立」を応援できるかは重要なテーマです。組織の今後の成長・発展を決定するものといっても過言ではありません。

 その意味で、企業側が持っていたい心得として私がよくお伝えするのは「3つのCH」です。

 まず、「チャレンジ(Challenge)」。介護に挑戦しようとする社員を応援する姿勢を示します。会社としては、社員の介護を応援するというより、「介護とキャリアの両立」にチャレンジしようとする社員を応援するスタンスでいることが重要です。一時的な業務のサポートにとどまるのではなく、介護をしながらも仕事を続け、介護経験を生かしながらキャリアを持続・発展できるモデルを育成する気持ちで、支援の体制を整えていきましょう。