子どもが望むなら読み聞かせは続けるべき

—— 小学生くらいになってくると、自分で読書するようになる子どもが多くなってくると思いますが、何才くらいまで読み聞かせをするのか悩む親も多いと思います。そのあたりはどうお考えですか?

中井 本が好きか嫌いかというのは、だいたい小学校の中学年くらいでハッキリ分かってくるところがあるのではないかと思います。なぜかと言いますと、それくらいの年齢になってくると、「もう4年生なんだから自分で読みなさい」などと親が言ってしまうからです。本当に本が好きな子どもならそれでいいのですが、本嫌いな子どもは、そのまま読まなくなってしまいます。小学校4年生とか5年生になっても、読み聞かせをしてほしいと子どもが言うのであれば、それは絶対にやめないで続けてあげてほしいですね。

 私の娘2人の例で言いますと、次女が小2のころに読み聞かせをしてあげていると、いつの間にか小6になった長女も一緒に布団に入って聞いたりしていましたから。大人がそうであるように、子どもだって、いくつになっても読み聞かせは好きなんだと思います。

—— 親子で読み聞かせを楽しむためのポイントなどありますか?

中井 それはその親子それぞれの形を探していくべきですから一概には言えないですよね。それぞれの親子で宝物を見つけていってほしいと思います。ただ、一つ言いたいのは、絵本には対象年齢が書いてあったりしますが、それはあまり意識しなくてもいいということ。

 例えば、小3の子どもが小1向きの本を欲しいと「コレ買って!」と言っても、「小学校1年生向けだから、いらないでしょ!」となりがちです。逆に小3で小6向きの本を買ってと言ったら、「ウチの子、天才なんじゃないかしら?」って思って買うことでしょう(笑)。

 でも、実際の年齢より下の子ども向けの本を欲しいと言うには、何か理由があるわけです。その絵本の絵がかわいいだとか、その話の何かを気に入っているとか。「この本はいらないでしょ!」といったことは絶対に言わないでほしい。だって、大人だって子ども向けの絵本に感動するわけですからね(笑)。

 何回読んでも好きな本というのが大人にもあるように、子どもにもあるはずです。それを親は分かってあげてほしいなって思います。私が言いたいのは、とにかく、子どもが興味を持つ絵本を与えてあげるということが一番だということですね。そのうえで、たまには、ママやパパ自身が「コレは面白そうだな」っていう絵本を探してきて、読み聞かせをするのもいいと思います。

 あと、同じ絵本でもパパとママが読むのでは全然違うと思いますので、それぞれの魅力を発揮して読み聞かせをして親子で楽しむといいと思います。

 次ページでは、中井貴惠さんが特におすすめする絵本3冊をご紹介します。