「2020年以降の経済財政構想小委員会」から「こども保険」の議論が生まれた

小泉 まず党内で、2020年以降の社会を考える小委員会が昨年にできたのですが、その発足の経緯というのが、まさに僕たちの思いの強さを象徴していると思います。皆さんの記憶にも新しいと思いますが、2年ほど前、低所得の高齢者(年金受給世帯)に向けて一律で3万円を配るという政策が出てきましたよね。

駒崎 ありましたね、3万円を1000万人へ!というとんでもないバラマキ。

小泉 経費含めて4000億円かかるプランが突如浮上したんですね。今まで「金はない」と言い続けてきた財務省が、高齢者にお金を配るためとなるとすんなりと受け入れようとする。一方で、子ども・子育て施策に予算が必要だと訴えても「出せない」と突っぱねられる。一体これは何なんだと。この状況を看過できなかった僕や村井さん、小林史明さんといった若手議員が党内で反対論を打ったんです。

駒崎 熱意ある若手議員たちが立ち上がったと。

小泉 「これからは人口減少が社会の最大のリスクであり、少子化対策は待ったなしだと言いながら財源を確保せず、高齢者には簡単に金を出す。これによってどんなメッセージを国民に伝えようとしているのか」と訴えたんですね。これまで自民党内で若手議員が何か意見をしようものの、一笑に付されて終わるというのが通例だったかもしれませんが、このときの反応はちょっと違ったんです。

駒崎 ほお。

小泉 「それはそうだ」という賛同の意見が党内に広がって、高齢者対象支給の議論がなかなか進まないほどに影響を与えるようになったんですよ。最後には、当時の政調会長だった稲田朋美・現防衛大臣が「皆さんの思いはよく分かった。次世代の社会について真剣に考えるための議論の場を党内につくる」という話がありまして、それでできたのが「2020年以降の経済財政構想小委員会」というわけです。

 昨年は年金や医療、介護、働き方について提言を出し、いよいよ今年から少子化対策の議論を本格化しまして、そこから生まれたのが「こども保険」というプランなんですね。

駒崎 なるほど。成り立ちがよく分かりました。でも、なぜ「こども保険」だったのですか?

今やらなければ国民全体の大きなリスクに

小泉 今まで政府はいろんな施策をやってきたし、保育の受け皿拡大も数字としてはかなり進んではいるんです。だが、それ以上にニーズが増えているので追いつかない。だから、世の中の実感としては「改善された」という印象にならないのかもしれません。では、いくらやっても子育て支援が十分ではないと思われてしまう最大の原因は何なのか。突き詰めて考えていくと、「政治が現役世代の支援に本気である」というメッセージが伝わっていないのが原因であって、お金を切って貼ってやりくりするような予算の逐次投入的政策ではもう限界だという結論に達したんです。国民にお願いすべき負担のこともしっかりと向き合って、「これだけのことをきっちりとやるから、どうか負担を理解してほしい。今やらなければ国民全体の大きなリスクになる」と説明していく覚悟が重要だと。

 そしてそれは、子どもを持っている持っていないにかかわらず、社会全体で子ども・子育てを支えられる世の中を作らなければいけないんだということも。これまでにない強いメッセージを発することで、国民の皆さんにも真剣に考えていただく機会をつくりたい。そういう思いで始めたんです。

駒崎 なるほど。熱い思いが伝わってきました。そのこども保険、ネーミングも非常にキャッチーで「おお? なんだそれ?」と興味を引きつけると思います。基本的な仕組みについて教えてください。