出産後、どうしたら以前の体形・体重に戻れるの? 前回の骨盤編に引き続き、今回は食事について、専門家に話を聞きました。昼も夜も続く赤ちゃんのお世話や、保活などの職場復帰準備で、多忙を極める産後の毎日。赤ちゃんの成長と発達、そして自分の健康と“きれい”のために、簡単に取り入れられる3つのポイントをお伝えします。

【年齢別特集 妊娠~職場復帰ママ・パパ】
(1)職場でどうする? 妊娠中のつわり、冷え、プチ不調
(2)働く妊婦の大敵、ストレスはこう逃がす
(3)産後の体形戻し 目標は「産前よりもきれいに」
(4)産後の体形戻しの敵は、よくない食べグセ ←今回はココ!

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

卒乳後を見据えて、悪い「食べグセ」をつけないこと

 妊娠して増えた体重をすぐ元に戻したい、と焦っていませんか? 「産後、食事を減らすようなダイエットは、おすすめしません」。そう話すのは、管理栄養士で、母子栄養協会妊産婦食アドバイザー代表講師の長(おさ)有里子さんです。

長(おさ)有里子さん<br>管理栄養士、母子栄養協会妊産婦食アドバイザー代表講師、Sazukaru代表。39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をしている人向けの「授かるごはん」講座を主宰。主な実績に「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」監修など。
長(おさ)有里子さん
管理栄養士、母子栄養協会妊産婦食アドバイザー代表講師、Sazukaru代表。39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をしている人向けの「授かるごはん」講座を主宰。主な実績に「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」監修など。

 「産後2カ月は産褥期といって、十分な休息と栄養が必要です。ゆっくりと時間をかけて体重を落とし、元の体重に戻すのは産後6カ月が目安です。母乳育児のママは、1日に750mlの母乳を作るのに650キロカロリーのエネルギーを消費するといわれます。赤ちゃんのお世話でさらにエネルギーを使うため、普通に育児をしているだけで体重が自然に戻る人は多いと思います」と長さん。母乳育児の場合、反対に「食べても食べても太らない」「痩せ過ぎてしまった」という声もあります。

 むしろ「産後太り」で要注意なのは、赤ちゃんの離乳食が始まったり、断乳・卒乳したりするころ。母乳を飲む量が減って、ママの消費エネルギーは減ったにもかかわらず、それまでと同じペースで食べ続けてしまい、太るケースがあります。

 「授乳期に毎日アイスクリームを食べていたママが、授乳をやめた後も、アイスクリームの習慣をやめられず、どんどん太ってしまった。聞いてみると、赤ちゃんがいると買い物も行きづらいので、アイスクリームを買いだめする“買いグセ”もついていた。産後に、よくない“食べグセ”と“買いグセ”がついてしまったのが原因でした」と長さん。産後、食欲を無理に我慢したり、食事を減らすダイエットをしたりする必要はないですが、悪い「食べグセ」をつけないようにしたいものです。

 また、母乳育児の場合、ママが食べたものが、母乳の質を左右し、赤ちゃんの成長と発達に影響します。「栄養バランスのよい食事は大前提ですが、特に気を付けて取りたいのは『よい油』『鉄』『カルシウム』です。母乳育児のママは、自分と赤ちゃんのために、そして、ミルク育児のママは自分の回復のためにぜひ意識して取ってほしいですね

 とはいえ、産後は赤ちゃんのお世話や、職場復帰に向けた準備などで大忙し。ゆっくり座って食事をする時間もなかなか取れないのが現実かもしれません。そんな超多忙な産後ママでも、生活に取り入れやすい実践技を教えてもらいます。

(次ページから)
・ミルク育児ママも意識したい「3つのポイント」
・積極的に取りたい「よい油」は「缶」活用
・「プルーンだけ」より「+ヨーグルト」が正解の理由
・忙しい産後ママの味方「ちりつも食材」
・スーパーで思い出して「似ているけど違う食材」