赤ちゃん時代を過ぎると突入する「イヤイヤ期」。外出先で大泣きして暴れたり、手が付けられない状態に困っているパパ・ママも多いのではないでしょうか。かんしゃくを起こす子どもにいくら言って聞かせてもダメなとき、親としてはカッとなったり落ち込んだりすることも。1歳のプレイヤイヤ期から、魔の2歳児、一筋縄ではいかない3歳児まで、子どもの「イヤイヤ期」を乗り越えるコツを、幼児教育を通して6000人以上の子どもと接してきた山本直美さんに聞きました。

イヤイヤ期は自我の芽生え。成長に欠かせない大切な時期

 こんにちは。チャイルド・ファミリーコンサルタントの山本直美です。

 梅雨の時期になるとお外で遊べない日が増え、お休みの日にお子さんとどう過ごそうかと頭を悩ませる人もいらっしゃるかもしれませんね。特に、イヤイヤ期を迎えたお子さんと一日中家で一緒に過ごすのは本当に大変!というパパやママの声が聞こえてきそうです。

 でも、そもそもイヤイヤ期ってどういう時期のことなのでしょうか。子どもの発達にとって欠かせない大切な時期であるということを知ると、イヤイヤ期真っ最中のお子さんに対しても、少し違った見方ができるようになるかもしれません。

 2歳前後から始まるイヤイヤ期とは、お子さんに自我が芽生え、「これに触りたい!」「これを食べたい!」「これを取ってみたい!」などと自分の意思を表現し始める時期のこと。このイヤイヤ期は、「成長の大切な一過程」なのだということを、大前提としてぜひ知っておいてほしいと思います。

 子どもが立って歩けるようになると、それまでとは見える景色がガラリと変わります。刺激や興味があるものがあれば当然、「そちらを見たい、行ってみたい」という気持ちになりますよね。そんなとき、それまでは自分が要求することすべてを満たしてくれていたパパやママが「どうも反対するなぁ?」というのが、この時期のお子さんの素直な気持ちじゃないでしょうか。

 親としても、子どもの要求をすべて満たすこと=育児だった時期から、本格的にしつけをする時期の始まりです。どこかでマインドセットしないと、うまくいかないと感じる場面が多くなります。親子の関係性が初めて変わってくる時期ともいえるかもしれませんね。

 もちろん、子どもの意思表示は0~1歳のころからあり、例えば寝返りをした赤ちゃんを大人がくるんと元に戻すと、怒ったりします。この時期には、たくさん言葉をかけながら要求を満たしてあげることが大切なので、何かを言い聞かせたりすることはあまりないかと思います。しかし実は、本格的なしつけが始まる前の0~1歳の時期から、しつけの準備として習慣にしておきたいことがあります。