0~1歳児に注意するときも目線を合わせて真剣に

 それは、「子どもとちゃんと目を合わせて向き合う」ということです。

 例えば、子どもにお座りして待っていてほしいときに、「危ないから待っててね」と言いますね。でも、子どもにとって興味があるものがその先にあれば、ハイハイしてそちらへ行ってしまいます。抱っこして元の場所に戻して、もう一度「待っててね」と伝えるのですが、そのとき大事なのは「ちゃんと目を合わせて話をする」ということです。

 これをきちんと習慣にしていると、子どもは相手の表情を読み取ったり、声のトーンから感情を読み解いたりすることができるようになっていきます。本当にやってほしくないことは、目を見てしっかり話しかけましょう。子どもはきっと分かっていないから、と目を合わせずに話したり、笑いながら話したりすると、大切なことは伝わらないものです。子どもが1歳を過ぎてトコトコ歩き始めると、なかなか目を合わせづらくなりがちですから、ぜひ0~1歳のころから意識しておきたい習慣ですね。

ヒートアップしているときはやり過ごし、後で言い聞かせる

 2歳のイヤイヤ期の何が一番大変なのかというと、「言葉が通じない」ということです。子どもにとっては、言いたいことが言えず、伝えたいのに伝わらなくてフラストレーションがたまっている状態です。ですので、できるだけ子どもの気持ちに寄り添い、「こうしたいのよね」「食べたかったのよね」「こうして、って言ってごらん」と「言葉で交渉すること」を伝えていくことが大切です。そうしないと、子どもはフラストレーションがたまった気持ちを態度で表現するようになり、それを見て親のほうもイライラしてしまうという悪循環に陥ってしまいます。

 子どものイライラにスイッチが入り、「ワーッ」とヒートアップしてしまうときは、自分の気持ちが認められていない、と感じているとき。「そっか、これが欲しいよね」と認められると、子どももそこまで意地を張るスイッチが入らないように感じます。頭ごなしに否定してしまうと、子どもも頑として譲らなくなりますので、そうならないよう対応したいですね。

 とはいえ、子どもが泣いたり怒ったり、大騒ぎになってしまったら、外出先など公共の場ではなんとかやり過ごすしかありません。その場でいくら言い聞かせようとしても、意地の張り合いになったら大人のほうが根負けしてしまうものです。真っ向勝負しないように、時には、ユーモアで返したり、本気で取り合わないようにしたりすることも必要です。

 やむを得ず要求を聞いてあげるときは、それをそのままにせず、後からきちんと「良くなかったこと」を伝えることも大切です。帰宅して子どもが落ち着いたときに、「今日のあれは良くなかったよね」「今度はお約束守れるかな」など、後から学習させるのがポイントです。子どもがヒートアップしたその場で、なんとか言い聞かせなきゃと思い過ぎなくてもいいんです。後からでも「この間、ここで○○したのは困ったな……」などとリアルに言われれば、子どももきちんと思い出せるものです。大泣きしている真っ最中よりも、よっぽど冷静に話を聞けると思いませんか?

 イヤイヤ期に限らずではありますが、子どもたちとの生活においては、とにかく「先読み」が大事です。

 例えば、電車に乗ることになったとき、事前に「ここでこうするだろうな」「騒ぎ始めたらこうしよう」などとイメージトレーニングをしておくと慌てずに済みます。2歳を過ぎたら、外出時には子どもにマイバッグを持たせ、お気に入りのおもちゃを入れておくのもいいですね。また、「今日は大丈夫だよね、お兄さんだもんね!」「電車の中ではこういうことをしたらおかしいんだったよね」など、事前の言い聞かせも大切です。

 それでもイヤイヤになりそうなときには、「ママ、さっき何て言ったかな?」「どうすればいいんだったっけ?」と言えば、子どもも気づくことができ、自分から「(悪いことは)やらない」と言えるようになるでしょう。