自分との約束を守ると、できるようになること

 「みんな、“自分との約束”ってない? 『今日は宿題を何時までに終わらせよう!』とか、『今日はごはんをいっぱい食べよう!』とか、大きい、小さい関係なく、何でもいい。自分と何か約束したことってあるよな? 自分との約束を守ると、どうなれると思う?」

 子どもが「強くなれる!」と発言すると、永島さんは、こう続ける。

 「それもあるけど、“自分を信じること”ができるようになる。自分との約束を守っていくと、自信がつく。自分との約束を守らないでいると、どうなるか。ヒデちゃんは不安になったんです。宿題を昨日のうちにやるつもりが朝になってしまうと、先生に怒られる、どうしようって不安になる。もし、自分との約束をしたのであれば、絶対に守っていきましょう。それが、自信になります。それが、ガラスのハートが増えていくことやから」

 「自分との約束を守ってやってきて、ヒデちゃんは自信をつけて、ガラスのハートをいっぱい作ってきた。『今日はここまで頑張ろう。もっとうまくなろう』と自分と約束をしたのであれば、そのために努力をする。そうやって、ヒデちゃんは日本代表になれました。こういうことを積み重ねると、夢へどんどん近づいていける。みんなも、自分との約束を守って、夢へと近づいていってほしいなあと、ヒデちゃんは思います!」

 選手としての夢はどうなったのか。永島さんは続ける。

 「日本代表として出場した世界選手権はベスト16でした。オリンピック予選にも代表として3回挑戦したけれど、オリンピックには1回も行けませんでした。オリンピックに出場するという夢はかなわなかった。でも、ハンドボールでいっぱい努力したことっていうのは、次の夢に絶対につながると思っている。だから、努力は絶対に無駄ではない。夢はかなわなかったけれど、自分との約束を守り、ガラスのハートを増やすこと。自分の夢を設定して、夢に向かって突っ走ってきたというお話でした。これで、ヒデちゃんの夢のお話は終わります!」

夢シートの記入と発表

 夢トークを終えたところで、子どもたちに夢シートを記入してもらう。夢の教室で子どもたちが記入するのは、「将来の夢」「そのためにできること、やってみようと思うこと」「いま好きなことや得意なこと」の3項目だ。

 10分程度、将来の夢と、そのためにできることを記入してもらったところで、永島さんが言った。

 「それでは、夢を発表してくれる人!」

 この日のクラスは積極的だった。「アナウンサーになりたい!」「医者になって人を救う!」「宇宙飛行士になって、月に行って思いっきりジャンプしたいです!」「チアリーディングの大会で日本一になって、チアの楽しさを教えたい!」「テニス選手になって、世界ランキング1位になりたい!」と、次々と子どもたちが発表するたびに拍手が湧き起こった。

 ひと通り、夢の発表が終わったところで、永島さんは、こう続けた。