出産したら、以前の体形に戻れるの? 産後の体形戻しについて「骨盤リセット」という視点から、専門家に話を聞きました。赤ちゃんのお世話や保活などの職場復帰準備で、「それどころではない」という超多忙なママに、生活に取り入れたい「3つの習慣」もお伝えします。

【年齢別特集 妊娠~職場復帰ママ・パパ】
(1)職場でどうする? 妊娠中のつわり、冷え、プチ不調
(2)働く妊婦の大敵、ストレスはこう逃がす
(3)産後の体形戻し 目標は「産前よりもきれいに」 ←今回はココ!
(4)産後の体形戻しの敵は、よくない食べグセ

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

「産前よりきれい」に必要なものは「よい姿勢」

 「1人目の出産時、妊娠前より10kg増でしたが、食事は全く制限せずに産後半年で元に戻し、その後の約半年で妊娠前よりマイナス7kgまで落としました」

碓田紗由里さん<br>カイロプラクター、姿勢教育指導士、虎ノ門カイロプラクティック院副院長。出産前後の女性が抱える体形や体調の変化を改善するオリジナルプログラムを開発・提案。著書に『産後骨盤リセットダイエット』(かんき出版)。今春、第二子を出産。
碓田紗由里さん
カイロプラクター、姿勢教育指導士、虎ノ門カイロプラクティック院副院長。出産前後の女性が抱える体形や体調の変化を改善するオリジナルプログラムを開発・提案。著書に『産後骨盤リセットダイエット』(かんき出版)。今春、第二子を出産。

 そう話すのは、カイロプラクターで姿勢教育指導士の碓田紗由里(うすだ・さゆり)さん。碓田さんは、出産前後の女性が抱える体形や体調の悩みを改善するオリジナルプログラムを開発・提案しています。

 産後、以前の体形に戻すことは可能なのでしょうか。「赤ちゃんが生まれるとき、通り道となる骨盤は広がります。出産時にいきなり開くわけではなく、妊娠中からリラキシンというホルモンが作用して、全身の関節が緩み、少しずつ開いていきます、リラキシンが作用している産後1~2カ月の間は、全身の関節が柔らかいままなので、長年抱えていた問題も解決できる、人生で数回しかないビッグチャンス。産前の体形に戻すだけでなく、妊娠前よりきれいで健康な体にすることは可能なんです」と碓田さん。

 とはいえ、産後は赤ちゃんのお世話や、保活など職場復帰に向けた準備などで多忙を極めます。正直、そんな時間も余裕もない、というママが多いです。

 「骨盤のケアは、本当は専門家に任せるのが楽です。でも、たとえプロの手を借りたとしても、日常生活で常に自分で意識していないと効果は上がらないものです」

 碓田さんによると、早く体形を戻すコツは「ゆがんだ骨盤を元に戻す」「姿勢習慣を見直す」「衰えた筋肉を取り戻す」。産後6カ月で元の体重に戻すのが目標といいます。なかでも、碓田さんは「姿勢を制する者が産後の体形戻しを制する」と強調します。「姿勢習慣の見直し」は、超多忙なママも、日常生活に取り入れやすそうです。

 「産後1~2カ月を過ぎてしまっても、最も効果的な時期が終わって普通の状態に戻ったというだけなので、諦めずに『よい姿勢』をぜひ意識してほしい」と碓田さんはアドバイスします。次のページから具体的な方法を聞いてみました。

<次ページからの内容>
・帝王切開や運動不足の人は骨盤が開いたままに?
・「よい姿勢」が痩せやすい体をつくる理由
・育児中も仕事中も取り入れたい「3つの習慣」
・赤ちゃんのお世話で「猫背」にならない方法
・悪い姿勢習慣がつく、抱っこ紐のNG使用法