【0歳】リズミカルな絵本が人気(佐々木さん)
● いないいないばあ
文/松谷みよ子 絵/瀬川康男 童心社
0歳児はもちろん言葉を理解できないため、必然的に物語性よりも、リズム感や言葉の音の面白さが重要になってくる。佐々木さんが「赤ちゃん絵本の原点」と評するのは『いないいないばあ』だ。猫やくま、ネズミなどの動物が次々に「いない、いない、ばあ」と繰り返す。発売から50年が経つが、累計600万部を超える、日本で最も売れている絵本だ(トーハンミリオンぶっく2015年版調べ)。「日本の伝統的な手遊びである“いないいないばあ”遊びを家庭に復活させた絵本。絵本を読んだら、ぜひ親子間でもいないいないばあをして遊んでほしいですね」。
● だるまさんが
かがくいひろし ブロンズ新社
「だ・る・ま・さ・ん・が…」というリズミカルな文章にのってページをめくると、びろーんと伸びたり、ぷしゅーっとしぼんだり。佐々木さんが「赤ちゃんを膝に乗せて、だるまさんと一緒にリズムに合わせて揺れながら読んでほしい」と語るのは『だるまさんが』。3冊のシリーズとなっており、こちらも累計で400万部を超える大ベストセラーだ。「なんといっても、だるまさんの豊かな表情の変化がユーモラスで楽しい。だるまさんがこけたら一緒になってこけたりして、親子で実際に動きを再現しながら楽しんでほしいですね」。
● もこ もこもこ
文/谷川俊太郎 絵/元永定正 文研出版
詩人の谷川俊太郎さんが文を書いた異色の絵本。地面の一部が「もこ」と盛り上がり、「もこもこ」「にょき」と様々に形を変えていく。「オノマトペ(擬音語・擬態語)絵本の代表作。オノマトペとは日本語独特の表現で、いわば音と言葉の中間のようなもの。日本語の音の豊かさを体現した絵本だと思います」と佐々木さん。正直、大人が読むと多くの人は「?」となりそうなシュールな本だが、多くの赤ちゃんは親が驚くほど興奮するようだ。
● ぴょーん
まつおかたつひで ポプラ社
カエルや子猫、犬がページをめくるごとに「ぴょーん」とジャンプ! 「『いないいないばあ』と同様、緊張と弛緩の繰り返しが赤ちゃんの心をひき付けます。ぴょーんのたびに赤ちゃんを持ち上げてあげると、大喜びする赤ちゃんは多いですね」と佐々木さん。こちらも、リズムに合わせて動きながら読むと楽しい赤ちゃん絵本だ。かたつむりが跳び上がろうとして…というオチも楽しいので、実際に演じながら読んでみてほしい。
● ぽんぽんポコポコ
長谷川義史 金の星社
「ぽんぽんポコポコ」と言いながら様々な動物がおなかをたたくという絵本。「赤ちゃんでも可能なジェスチャーを巧みに取り入れた絵本です。読みながら一緒に赤ちゃんのおなかをぽんぽんとすると、自然な笑いが広がります」(佐々木さん)。長谷川義史さんのユーモラスな絵も魅力的だ。最後は「ぽんぽんないない」と大事なおなかをそっとしまおう。