本をどのように読めばいいのか、年齢ごとにどんな本が適しているのか、どうやって選べばいいのかなどを、専門家におすすめの本の紹介とともに解説してもらう特集「頭が良くなる本選び DUAL決定版100冊!」。

子どもの心や脳に絵本がいいとはよく聞くけれど、やっぱり名作がいいの? 子どもが繰り返し同じ絵本ばかり読みたがるのはどうすればいい? そんな素朴な疑問について、絵本と子どもの発達についての専門家である絵本心理学者の佐々木宏子さんと、「絵本全ページ試し読み」や「市販絵本読み放題」などの画期的なサービスを展開する絵本ナビの金柿秀幸代表に聞いた。

【頭が良くなる本選び DUAL決定版100冊!】
第1回 平田オリザ 世界への興味は読書から始まった
第2回 子どもの「絵本読んで」は“こっち向いて”のサイン ←今回はココ
第3回 絵本心理学者、絵本ナビおすすめ「0~2歳向け絵本」
第4回 小学生になるまでに読み聞かせたい絵本・児童書
第5回 読書苦手な小学生は“見る”“わかる”の間にいる
第6回 読書が苦手なら中学生でも小1まで遡る
第7回 低学年、中学年、高学年のうちに読みたい30冊
第8回 英語絵本15選! 読めば読むほど読解力が上がる
第9回 DUAL編集部 読み聞かせテクニック&おすすめ本

絵本とは、何ですか?

赤ちゃんに読み聞かせをする佐々木さん
赤ちゃんに読み聞かせをする佐々木さん

 絵本とは、親子のコミュニケーションツールである――。

 今回、保育園児向け「DUAL特選絵本リスト」を選定するにあたり、絵本の専門家2人にお話を聞いた。絵本が子どもの発達に与える影響について詳しい、鳴門教育大学名誉教授の佐々木宏子さんと、絵本情報・通販サイト「絵本ナビ」の代表取締役社長、金柿秀幸さんだ。「絵本とは何ですか?」という問いに対して、このお二人が異口同音に答えたのが、冒頭の言葉だ。

 絵本の読み聞かせによって、脳の言語野が刺激されて語彙が豊富になる、道徳や心の教育になる、といった絵本の効用についての話はよく聞かれる。実際、現代は少子化と出版不況という、絵本にとってダブルショックの時代であるにもかかわらず、絵本市場は堅調な成長を見せていると金柿さんは話す。子どもに良い絵本を読ませてあげたいと願う親がそれだけ多い証左といえるだろう。

 しかし、お二人は子どもの健やかな成長にとって最も必要なことは、親との良質なコミュニケーション。その手助けのツールとして最適なのが絵本、というのである。佐々木さんは「これ読んであれ読んで、と子どもが絵本を持ってくるときは、本当は絵本を読んでもらうことより、“こっちを向いて”という意味合いのほうが大きいこともある」という。

 「読みながら、これは何? あれは何? と子どもが絵を指さして聞いてくることってありますよね? 親からすると絵本をなかなか読み進められなくて、面倒に思うこともあると思いますが、それはコミュニケーションの欲求の表れです。子どもはそれが何か分かっていて聞いているんです。

 本心は知りたいのではなく、親と話したいのです。絵本は、子どもにとって親とコミュニケーションをとるための手段の一つなんです」

<次ページからの内容>
・読み聞かせはコミュニケーションのトレーニングに
・絵本が育む創造力と他者への理解
・親子で幸せな時間を過ごすことが大事
・本は読みたくなるタイミングがある
・すべての子どもに当てはまる絵本リストはない
・繰り返し読む本こそが最高の絵本

次ページから読める内容

  • 絵本が育む創造力と他者への理解
  • 繰り返し読む本こそが最高の絵本

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