熱海での家族との暮らし。朝日と夕日の時間がご褒美みたいな時間
―― この『やすらぎの郷』は地方のお話ですけど、NOKKOさんも今は東京から離れて暮らしていらっしゃいますよね。どんな暮らしぶりなんでしょうか。
NOKKO 熱海市で娘(小4)と旦那さんと3人で暮らしています。仕事のときだけ東京に行く生活。東京まで新幹線で40分くらいなんですよ。暗いうちに起きて、朝のうちに家事をギュッと凝縮して済ませ、娘を送り出したらそのまま新幹線に乗ります。仕事をして、夕飯には滑り込みセーフで帰ってくる。毎日ではないですが、そんな生活です。
―― 暗いうちって、起きるのは何時ごろですか?
NOKKO 3時半。恥ずかしいくらい早いでしょう。まだ暗いし、家族も犬もまだ寝ています。寝るのも早いんです、9時ぐらいに寝ます。毎日、学校がある平日はそんな感じですね。
―― こちらの写真はご自宅のお庭の写真なんですよね、バラがきれいですね。
NOKKO バラはうちの庭師が。…主人ですけどね(笑)。私にはできません。すごく根気がいるんですよ。お花って、ずっと咲いててくれたらいいけど、バラもラベンダーもわーっと一時期に咲いて、あっという間にいなくなっちゃうんですね。このトークショーの準備で写真を撮るときも、マネジャーから「レモンがなっていましたよね。写真を撮っては?」って言われたけど、そんなの、もうあっという間になくなっちゃうんです。「もう、これだから東京の人は!」って思いました。
でも私だって東京にいるときは、バラもレモンも、おひな様の両脇の桜や橘みたいにずっとずっとあるものだと、思っていました。でもね、自然のものというのは、一瞬のうちに移り過ぎてしまうんですよね。
だからこそ、うつろいでいってしまう花を好きな時に楽しめるようにアロマオイルなどを作る知恵が生まれたのだなと、そう思います。
―― NOKKOさんが暮らしを大切に守っているっていう感じが伝わってきます。大切にしている時間は、どんな時間ですか?
NOKKO 朝日が昇ってくるときと、夕方、家族が帰ってくるとき。夫は自宅のスタジオで仕事をしているんですけどね。家族が団らんの時間に再び集まってきて、日が暮れていくときって、人生のご褒美みたいな気持ちになります。
―― 朝日・夕日を味わう時間って、いいですね。都会のドタバタの中では難しいかもしれません。今年、お嬢さんは11歳とのことですが、読者のアンケートを読んでいても、10歳くらいまでの育児が大変という声がよく聞こえてきます。NOKKOさんはいかがでしたか?
NOKKO 大変なときは、自分のことなんてかまっていられませんよね。髪を洗って乾かす暇もないっていうか、そもそも髪洗ったっけ?っていうくらいでした。でもね、そういうときは、心の中できれいなことを考えていれば、自分はきれいなんだって思っていました。「今だけ今だけ」って思って、過ごしていましたよ。
前回のライブからの成長も確認したい!
―― そんな時間を経て、音楽への取り組み方に変化はありましたか?
NOKKO アーティストとしての活動を俯瞰で見ることができるようになってきて、ある種、「型」をやっているような感覚があります。自分はもちろん、もうティーンエージャーではないのですが、妄想の中でティーンエイジャーの自分を踊らせながらやっている感じですね。歳とともにそのギャップは大きくなっていくけれど、それがきっと面白いんじゃないかと思っています。続けていくことで、以前は想定もしていなかった形になっています。面白いですね。
―― 20歳のころからやってきたことを繰り返すっていう感じではないんですね?
NOKKO 繰り返しではないですね。あのころに戻ろうということはありませんが、「型」にのっとってみることはありますね。
―― REBECCAのツアーは7月からスタートですね。今後のライブの見どころはどんなところですか?
NOKKO 2年前にREBECCAを再開したときから、どのくらい進歩できているかなって確認するのを楽しみにしています。
―― 忙しくなりますね。
NOKKO そうかもしれないけれど、家のことも音楽も、気持ちの上ではすべて100でやっていきたいですね。することがたくさんあっても、半分ずつにしてということはないです。
―― 今日はどうもありがとうございました。
(取材・文/関川香織、撮影/花井智子)