晴れの日も雨の日も、子どもたちの遊びたいエネルギーに「待った!」はありません。家の中で遊ぶにもネタが尽きて、週末の1日がもたないと嘆くDUALファミリーのために、子どもの遊びの専門家である、愛知教育大学教育学部創造科学系教授の竹井史さんに、親子で盛り上がること間違いなしの遊びを教えてもらいました。

【年齢別6月保育園ママ・パパ向け特集】
第1回 雨の日 父子が一緒に室内で楽しめる運動遊び
第2回 父子で盛り上がる! お風呂&手作り遊び ←今回はココ
第3回 “パパ友のパイオニア”に聞く「パパ友って必要?」
第4回 パパ会成功の秘訣は「連絡網作り」

家の中でも子どもと遊べる要素はたくさんある

愛知教育大学教育学部創造科学系教授 竹井史さん。筑波大学大学院人間総合科学研究科後期博士課程芸術専攻満期退学。富山大学人間発達科学部教授等を経て現職。専門は美術教育、幼児教育(造形・遊び)。これまでに地域住民参加のイベントを15年間企画・運営し、7万人以上の親子と触れ合う子どもの遊びの専門家である。
愛知教育大学教育学部創造科学系教授 竹井史さん。筑波大学大学院人間総合科学研究科後期博士課程芸術専攻満期退学。富山大学人間発達科学部教授等を経て現職。専門は美術教育、幼児教育(造形・遊び)。これまでに地域住民参加のイベントを15年間企画・運営し、7万人以上の親子と触れ合う子どもの遊びの専門家である。

 雨の日に室内で過ごすとなると、テレビやDVD鑑賞、ゲームをする子もいるかもしれません。でも、せっかくの休日、パパがお休みのときこそ、体を使ったり、ちょっと頭を使ったり、お部屋の中でも遊びを取り入れてみてはいかがでしょうか。

 「子どもの遊びの中で最初のベースになるものとして『感覚遊び』というのがあります。目や耳、皮膚感覚など、五感を通して自然物と接していくなかで、様々な物事に対する認識を深めていきます。そんな遊びのなかで、水は子どもの感覚を磨いてくれる“万能素材”です」

 こう愛知教育大学教育学部創造科学系教授の竹井史さんが言うように、水遊びは五感を通して「楽しい」とか「面白い」「不思議だな」と感じることができるもの。

 「お風呂に入って『気持ちいいなあ』と感じるのと同じく、気持ちいいという感覚そのものが生きる喜びでもあり、遊んで楽しかったことが、次へのいろんな意欲へとつながっていきます。そのため小さいうちは、水にちょっと触れてたわむれるだけでも、子どもにとっては素晴らしい体験になるんです

 大事なのは、子ども一人で遊ばせるのではなく、必ず親が子どもに手を添えながら、一緒に『気持ちいいね!』って伝えること。子どもは親と皮膚感覚で接しているので、安心感にもつながります。

 「その安心感の中で水の感覚の気持ちよさや楽しさをパパやママと共感体験するようにしてください」(竹井さん)

 肌と肌が触れ合うスキンシップには、お風呂での水遊びはうってつけ。そういう意味では、「普段、わが子と関わる時間が少ないと感じているパパこそ、水遊びをたくさんしてほしい」と、竹井さんは言います。

一緒におもちゃを作る“共感体験”が親子の絆を強くする

 また、水遊びの他にも一緒におもちゃを作って遊ぶことも幼児期には大切です。

 「日常的な生活の中で、親は親、子どもは子どもの役割を演じながら生きています。ですから、例えばパパがパパを演じてばかりだと、なかなか親子の絆は深まりません。深くするためには、親子の関係というよりもお互いの人間同士のつながりをどれだけ深くできるのかが大事。そのために必要なのが“共感体験”です

 共感体験とはお互いが共通の目的に向かい、親子で達成感を共有する体験のこと。

 「より多くの共感体験をするには、市販のおもちゃよりも手作りおもちゃのほうがいいです。親子でおもちゃを作りながら、ああでもない、こうでもない、こうしたらいいかもと意見交換をすることが大切です。完成してうまく遊べたときには、親子で達成感が共有できるのも大きなポイントです」と竹井さん。

 達成感を共有するには、1つのおもちゃを一緒に作るのがいいと提案します。

 「パパがハサミを器用に使うと『お父さんスゴい!』と尊敬してくれます。子どもは子どもで、何か作ったときに『コレ、○○みたいだね!』などと、大人では思いつきもしない面白い世界観を話したりする。頭が堅くなってしまった親からすると、『お? なかなかの発想力だな』と感心することもあるでしょう。お互いのいいところを発見し合ってさらに絆が深まるのです」

<次ページからの内容>
・パパの脳活性化にも! 雨の日のおうち遊びのポイント
・手指や手のひらも鍛えられる「両手で水鉄砲遊び」
・空気の存在を教えられる「タオルでブクブク遊び」
・3~8分で完成! 親子の絆が深まる手作り遊び3選