休日、子どもと公園に行こうと思っていたのに外は雨。そんな日が続く梅雨時、「子どもとどう遊べばいいのか」困ってしまいますよね。そこで、NHKの番組『おかあさんといっしょ』で10代目体操のお兄さんとして活躍した「ひろみちお兄さん」こと、医学博士の佐藤弘道さんに、雨の日でも体を動かせて子どもの運動能力を伸ばせる遊び方を教えてもらいました。

 実はこの遊び、子どもだけでなく親にとっても、心身ともに健康になれる効果があるのです。平日は忙しくてなかなか子どもと関われないパパも、ぜひ家族と一緒に取り組んでみてくださいね。

【年齢別6月保育園ママ・パパ向け特集】
第1回 雨の日 父子が一緒に室内で楽しめる運動遊び ←今回はココ
第2回 父子で盛り上がる! お風呂&手作り遊び
第3回 “パパ友のパイオニア”に聞く「パパ友って必要?」
第4回 パパ会成功の秘訣は「連絡網作り」

子どもは遊びのなかで体が鍛えられる

 梅雨になると、なかなか公園に行って遊ぶこともできず、育ち盛りの子どもたちも退屈しがち。そんな子どもたちとどうやって遊んであげればいいのか、悩む人も多いでしょう。

 「いつでもどこでも気軽に親子でできる運動ということで言えば、『親子たいそう』がいいと思います。家の中でも大丈夫なので、雨が続く時期にピッタリ。1~2畳分の室内スペースさえあればできます」(佐藤弘道さん)

佐藤弘道さん。NHK『おかあさんといっしょ』で10代目体操のお兄さんとして活躍した「ひろみちお兄さん」。2015年、弘前大学大学院医学研究科博士課程を修了し、医学博士となった。
佐藤弘道さん。NHK『おかあさんといっしょ』で10代目体操のお兄さんとして活躍した「ひろみちお兄さん」。2015年、弘前大学大学院医学研究科博士課程を修了し、医学博士となった。

 佐藤さんが勧める「親子たいそう」とは、どんな運動なのでしょうか? 「『たいそう』と言ってはいるものの、そんなに難しく考える必要はありません。要は『親子で楽しく体を動かして遊ぼう!』」という、ただそれだけです。

 最近は、小さいころからスポーツを本格的に習わせたいと思う親も多く、もちろん、それはそれで悪いことではないのですが、「3歳から6歳ごろまでの子どもは、体ができあがっていないのでアンバランス。要はまだ体の“根っこ”が育っていないんです」と、佐藤さんは言います。

 その根っこを育てて子どもの運動能力を伸ばすのに一番大切なこと。それは「親と一緒に思いっきり遊ぶ」ことだと佐藤さんは話します。親が、子どもに何か運動させようと仕向けるのではなく、「一緒に遊ぶ」ことが大切です。

 「子どもは『楽しい』と感じるままに動いているだけで、自然とバランスのとれた全身運動ができます。楽しくなければ集中力は続きませんし、続いたとしてもせいぜい20分程度。時々休憩を挟みながらなるべく楽しく盛り上げて、親子で一緒に体を動かす楽しさをたくさん経験させてあげることが大切です。親子の素晴らしいコミュニケーションにもなって、絆が深まります」

子どもとの遊びは親にも大きなメリットがある

 佐藤さんの提案する「親子たいそう」には、子どもの筋力や柔軟性のほか、敏捷性、瞬発力、平衡性、筋持久力、全身持久力を育てる要素が盛り込まれています。

 さらに子どもと一緒に体を動かして遊ぶと、親にもメリットがあることが佐藤さんの研究結果で分かりました。その他、運動遊びには以下のようなポイントがあるといいます。

【家の中でできる運動遊びのポイント】

・親子で一緒に思いきり遊ぶことでコミュニケーションにもなり、絆が深まる
・親にとっては育児ストレス軽減のほか、体脂肪減少や快眠効果も得られる
・運動神経は遺伝ではなく、育つ環境でつちかわれる。運動嫌いな子なら親がアクティブになろう!
・親が疲れる遊びで真剣になるからこそ、子どもが喜ぶ!

<次ページからの内容>
・小さな子や運動不足の親に向く「とっとこ、ペンギンさん」
・子どもがマッサージしてくれる楽な遊び
・ゲーム性の高さが魅力、筋力に自信がなくてもOKな「新聞たたんでジャンケンポン!」
・うんていが苦手な子にやってほしい「だっこでむぎゅ~、コアラさん」
・子どものケガ防止にも役立つ「フォークリフトは力もち」
・かけ声をかけるとさらに楽しい「タオルでつなひき」