子どもは遊びのなかで体が鍛えられる
梅雨になると、なかなか公園に行って遊ぶこともできず、育ち盛りの子どもたちも退屈しがち。そんな子どもたちとどうやって遊んであげればいいのか、悩む人も多いでしょう。
「いつでもどこでも気軽に親子でできる運動ということで言えば、『親子たいそう』がいいと思います。家の中でも大丈夫なので、雨が続く時期にピッタリ。1~2畳分の室内スペースさえあればできます」(佐藤弘道さん)
佐藤さんが勧める「親子たいそう」とは、どんな運動なのでしょうか? 「『たいそう』と言ってはいるものの、そんなに難しく考える必要はありません。要は『親子で楽しく体を動かして遊ぼう!』」という、ただそれだけです。
最近は、小さいころからスポーツを本格的に習わせたいと思う親も多く、もちろん、それはそれで悪いことではないのですが、「3歳から6歳ごろまでの子どもは、体ができあがっていないのでアンバランス。要はまだ体の“根っこ”が育っていないんです」と、佐藤さんは言います。
その根っこを育てて子どもの運動能力を伸ばすのに一番大切なこと。それは「親と一緒に思いっきり遊ぶ」ことだと佐藤さんは話します。親が、子どもに何か運動させようと仕向けるのではなく、「一緒に遊ぶ」ことが大切です。
「子どもは『楽しい』と感じるままに動いているだけで、自然とバランスのとれた全身運動ができます。楽しくなければ集中力は続きませんし、続いたとしてもせいぜい20分程度。時々休憩を挟みながらなるべく楽しく盛り上げて、親子で一緒に体を動かす楽しさをたくさん経験させてあげることが大切です。親子の素晴らしいコミュニケーションにもなって、絆が深まります」
子どもとの遊びは親にも大きなメリットがある
佐藤さんの提案する「親子たいそう」には、子どもの筋力や柔軟性のほか、敏捷性、瞬発力、平衡性、筋持久力、全身持久力を育てる要素が盛り込まれています。
さらに子どもと一緒に体を動かして遊ぶと、親にもメリットがあることが佐藤さんの研究結果で分かりました。その他、運動遊びには以下のようなポイントがあるといいます。
【家の中でできる運動遊びのポイント】
・親子で一緒に思いきり遊ぶことでコミュニケーションにもなり、絆が深まる
・親にとっては育児ストレス軽減のほか、体脂肪減少や快眠効果も得られる
・運動神経は遺伝ではなく、育つ環境でつちかわれる。運動嫌いな子なら親がアクティブになろう!
・親が疲れる遊びで真剣になるからこそ、子どもが喜ぶ!