「なんでそんなことしたの!」と問い詰めない

 子どもが一人で通うことに慣れ始めた時期には、「気の緩み」も生じがちです。危険な行動をしていないか、“抜き打ちチェック”をおすすめします。

 子どもが一人で家に帰る様子をこっそり見守りながら付いていき、寄り道や危険な行動をしていないか確認します。行ってはいけないと決めておいた道に進んでいるようなときには、偶然を装って近くに行ってみましょう。親に見つかったことに気づいた子どもは、バツが悪そうな顔をするかもしれません。

 私なら、家に帰って落ち着いてから「さっき、あの道を通っていたのを見かけたけど、何をしていたの?」と聞いてみます。このとき、親がやってしまいがちなのが「なんであんなことしたの!」と強く問い詰める行動ですが、「なんで」と理由を聞かれても子どもはうまく答えられません。子どもの行動は自分でも説明できない衝動や好奇心から来るものが多いからです。理由ではなく“事実”を聞くクエスチョンのほうが、会話が発展していきます。

「さっき、あの道通って何していたの?」
「うーん、ちょっとお店を見ようとしてた」
「何か気になるものがあったの?」
「うん。友達が言ってたキャラクターものが置いてあったから」
「でも、そうやって気になるものにつられていると、怖いおじさんに声をかけられることがあるかもよ」
「えっ、怖いね」
「そうならないように気を付けてね」
「うん」

このように子ども自身の気づきを促すように問いかけをしてみてください。