小学校1年生は「なんでも親と一緒」だった保育園ライフから卒業して、自分の力で学校に通ったり、放課後を過ごしたりする生活にチャレンジしています。わが子の成長を実感する喜びをかみしめつつも、“子どもの安全”に対する不安でいっぱいという人は多いはず。そんな不安を解消するヒント満載の本が、その名も『子どもの防犯マニュアル』。著者の舟生岳夫さんは、子どもの防犯について10年以上研究をしてきたその道のプロフェッショナルです。「はじめての通学」「塾・習い事通い」「ケータイ」の3大テーマについてお伺いし、集中連載でお届けします。今回は「塾・習い事通い」です。

 子どもの行動範囲が広がるときに親子で身に付けておきたいのが「防犯リテラシー」。前回の「はじめての通学」では、「親子で通学路シミュレーションをしてみる」「地域で協力してできるだけ多くの目で子どもを見守る」といったポイントを紹介しました。

 子どもが犯罪・事故に巻き込まれるリスクが高まる「子どもが一人になる時間」として、通学以上に心配になるのが塾や習い事への行き帰りではないでしょうか。中学受験対策として小学3年生くらいから通い始める子もいるといいます。10歳になるかならないかという子の危機管理能力というのは非常に頼りないものですし、高学年になったからといって安心できるわけではありません。「うちは共働きで親の帰宅が遅くなるから、塾に行ってくれていたほうが安心」と夜遅い時間の塾通いが日常的になっている家庭もあると思います。

自由度が高い通塾のリスク。ルートは必ず決めておく

 塾や習い事の行き帰りは、「通学路」のような決められたルートがなく、自由度がぐんと高くなります。駅前などにぎやかなエリアを通ることも多く、子どもがついフラフラと寄り道をしたくなる誘惑もありがちです。

 塾や習い事に子どもが一人で行き来することが決まったら、どの道を通っていくか、「ルート」を決定することが大事です。実際に親子で一緒に歩いてみて「この道は近いけれど歩道が狭くて危険だね」「街灯の数はどうかな」「何かあったら、このコンビニに駆け込むといいね」と周囲の環境をチェックしながら、どの道をどう通って目的地まで行くか、ルートをきちんと決めておきましょう。そして、そのルートは必ず守るように徹底させること。そうでなければ、いざ子どもを探さなければいけないとなったときに行き違いなどが生じてしまうからです。

 塾や習い事が終わるころに近くまで親が迎えに行くというケースも多いと思います。その場合は、明るくて人目に付きやすい店舗の前にするなど、待ち合わせ場所にも配慮しましょう。