ジェンダー意識が「ダブルスタンダード」になっちゃってる

 独身時代に参加した女子会で、とても印象的だったエピソードがあります。

 集まっていたのは、みんなバリバリと仕事をこなす経済的に自立している女たち。大手企業で出世街道まっしぐらのキャリアウーマンや女性経営者など、男性と対等どころかそれ以上に「デキる女」ばかりでした。まさに「自立する女性」を絵に描いたような、かっこいい女たち。

 しかし、精神面においても完全に自立しているのかというと…そうとは言い切れません。恋愛の話になるととっても乙女なんですよね。

 ちゃんと女の子扱いされたいし、強い男性に守ってもらいたい願望も強くて。で、高いシャンパンを飲みながら、恋愛話にあーでもない、こーでもないと花を咲かせていたところ、誰かがこう言い放ったのです。

 「うちら、強いんだよ。競争社会の中で戦って生き抜いて、今も高級シャンパンを自腹で空けたりして。…それを守れるくらいの強い男って、どんな戦国武将だよ!

 …確かに!

 その場にいた全員が、納得した瞬間でした。

 社会の中では自立する女が「理想の女性像」なのに対し、恋愛面や結婚観となると、自分よりも圧倒的に強い男が「理想の男性像」。矛盾とまではいかないけれど、これを成立させるパートナー選びをするとなると、極めて困難な道のりであるのは想像に難くありません。それこそ戦国武将じゃないと。

 私自身もそうだった自覚がありますが、ジェンダーの感覚が「ダブルスタンダード」になっちゃってるんですよね。

 すべてがアニメや少女マンガのせいだとはいわないけど、この価値観を築いた一因にはなっていると感じるのです。

 そう考えると、新しいジェンダー観の作品を見て育った今の子どもたちが大人になるころには、そのダブルスタンダードはなくなっているのかな。これから、子どもと一緒に子ども向けの作品を見る機会も増えていくと思うので、そんな目線でも楽しんでみようかなと思います。