職業柄、バリアを張ってはいけないと思っていた

 積極的にPTA活動に参加していた理由に、テレビに出る仕事をしていたからというのがあります。私から周りの方々に話しかけて学校になじんでいかないと、他の親御さんも声をかけづらいのではないかと思ったんです。バリアをつくってはいけないと思って。知らない地域で始めた子育てで、自分と長女の居場所をつくりたいと思って選んだ地元の公立小学校。

 特に第一子だった長女のときは、私から積極的に行こうと決めていました。ここで動かないとずっと蚊帳の外。遠目から「あ、あの人ニュース読んでる……」なんて言われることになってしまうのは寂しいなと(笑)。

 やってみて感じたのは「PTAは積極的に関わるほど、やりがいが感じられる活動」だということ。自分が学生時代にやった委員会などとは違った楽しさがあるんです。自分より15歳年上のママや、お子さんが4人というベテランママもいて、年も違えば子育ての状況も違うママたちとの話はとても参考になりましたし、どれだけ話しても話が尽きることがなかったです。皆さん地元のことや先生方のこともよく知っていて、いろんなことを教わりました(笑)。

 役員歴、実は結構長くて、保育園のときは父母会長もやっていました。小学校では執行役員や学校誌を作成する委員もやりました。入学して割とすぐに「PTAにはこういう仕事があって、活動のペースはこれくらいです」という説明を受けるので、自分の仕事のスケジュールと調整しながらできる委員に立候補しました。仕事をしている状況でも、何かしらできることってあるんだなと思いましたね。

 他の学校が同じかどうかは分かりませんが、長女のところは「1つの役員は1人1回まで」というルールがあったんです。私は1年生からPTA活動に参加していたので高学年になると役員を免除されるという立場になっていました。ただ、ルールでそう決められていても、実際に仕事が調整しづらかったりご家庭の事情があったりして、役員を引き受けるのが難しいという方もいます。クジ引きの結果、その役員の活動時間に全く予定を空けられないという方に当たってしまったことがありましたが、他のママたちでカバーし合いました。

 PTA活動が大変過ぎるとか不要ではないのかという意見を、最近よく耳にします。私の場合はPTA活動で得ることがたくさんありましたが、それでも「この会は必要なんだろうか」「もう少し役割を分散したらいいのに」など、改善が必要な部分も色々あるように感じました。そもそも、事情があって役員ができない人に無理強いしなくてもいい方法だって、いくらでもあると思うんです。学校や役所にも色々なルールがあるとは思いますが、PTAがもっと柔軟に変化することが認められる環境になるといいですね。

「塾の夜食や遠足など、子ども達のために何度もお弁当を作りましたが、キャラ弁だけは不評でした(笑)」
「塾の夜食や遠足など、子ども達のために何度もお弁当を作りましたが、キャラ弁だけは不評でした(笑)」