子どものスマホ依存、しんどさを抱えていることも

―― 子どもの依存症も気になります。

松本 今の10代は、昔と比べて薬物やアルコール、たばこをやらなくなりました。一方で、スマホやタブレットを食事中でも見ていて、ゲームやチャットばかりで心配という親の声があります。いいか悪いか、判断が難しいツールですね。タブレットを使う学校も増えましたし、情報を得られて便利な面もある。健康な子なら、一時ははまるけど、落ち着くものです。使う日や時間を決めて、いい付き合い方を見つけましょう。病的な依存の場合、昼夜逆転して学校に行けない。その背景には、何かしんどさを抱えている。発達障害があり人間関係や社会生活がうまくいかないといった原因もあります。

 学校で、特定の子に依存している場合も、他の理由が隠れているかもしれません。家庭に居場所がないとか、実はいじめられているとか。摂食障害は、依存症とは少し違いますが拒食と過食を繰り返します。ずっと優等生できて、エリート女子高に行ったら一番になれなかったけれど、ダイエットは食べなければやせるという結果がすぐ出るから。親は体型についてうるさく言わないことです。お母さんがするダイエットも見ていますよ。子どものメンタルヘルス全般に言えますが、ダメ出しをせず、話を聞く。言い分を聞いてから何がいけないのか説明する。押し付けないことが大事なのではないでしょうか。

―― 依存症かなと思ったときの相談先は。

松本 都道府県や政令指定都市にある精神保健福祉センターに相談してください。依存症は本人より、周りが困るケースが多い。センターでは家族だけでも相談できます。依存症というほどでもないとか、治療がいるとか、観察が必要とか、アドバイスを受けられます。説教や罰、愛情では依存症は治りません。家族がつながっていると、関わり方のテクニックやスキルが身に付き、本人が落ち着くことも。必要なら医療機関や自助グループを紹介してもらえます。

(イメージ写真/iStock)