20代 ゴールが見つからず、人が褒めてくれることで満足していた
これまでを振り返ると、正直なところ、はっきりと「自分がこれをやっていくんだ!」というゴールが見つからずに困って立ち止まることが何度もありました。
大学卒業後、日本長期信用銀行に入ったのも、バブル期の就職活動で受けた企業の中で一番初めに内定が出たから。運も良かった部分もあったんです。当時、金融業界ではない希望もあったのですが、学生の私が狭い視野で卒業後の進路を考えるよりも、社会の第一線で活躍する大人が「来てほしい」と評価してくれるところで働いたほうがフィットするだろうと考えました。でも実際に働くようになると、自分にはあまり合わなくて……退社後、夫と共にアメリカへ留学をしてビジネススクールへ行きました。
世界銀行で働きたいと思っていたのですが、実際に働いている人から話を聞くと、私が思っていたよりも官僚的なところがあって違うなと。これから先どうしよう、と思っていたときにビジネススクールで面接をしてもらえる機会があり、マッキンゼーからの内定が出たので入社することにしたんです。
長銀にしても、留学にしても、マッキンゼーにしても、そうした一見華やかそうなキャリアを周りの人は褒めてくれます。そういった表面的なことで自分の自尊心が満たされるようなところが、当時は少なからずありました。20代のころは「この会社で私は何をしたいのか」という軸がなく自分が本当にやりたいことが見つからないまま、見た目のキャリアで、激しいモラトリアムをごまかしていましたね。
マッキンゼーでは、クライアントの新しいプロジェクトを成功させるためのコンサルタントをしていましたが、当時上司から「あなたは何をやりたいの?」とよく問われました。最初のころは「まだ分かりません」という感じでも許されましたが、そんなに甘くはありません。年次が進むにつれて「昇格水準に達するスピードが遅いです。この遅れを取り戻すためには相当頑張らないといけないけれど、あなたは頑張れますか?」などとプレッシャーをかけられました。
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- 30代 中間管理職としての明るい将来像が描けず、悶々
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