紫原さん「社会の優しい声を可視化することで、ママ・パパを勇気づけたい」

紫原明子さん(鈴木芳果撮影)
紫原明子さん(鈴木芳果撮影)

 発案者であるエッセイストの紫原明子さんは、プロジェクトについて次のように話します。

 「このプロジェクトは、『赤ちゃんの泣き声に寛容になろう!』と呼びかけるためのものではありません。個人的には、社会のより多くの人がそう思うようになればいいと思うものの、一方で、そう思わない人の意見も許容できるのが、真に多様性が認められる社会なのだと思います」

 「ではなぜこのステッカーが必要だと考えたかというと、『私は赤ちゃんの泣き声が気になりませんよ』『赤ちゃんを社会で温かく見守っていきましょう』と考えている人が、その意思を、より手軽に表示できるような仕組みがあればいいと思ったからです。普段目に見えないけれど本当はちゃんとある、社会の優しい声を可視化することで、赤ちゃんを育てている親御さんや、これから親になろうと考えている人たちが、少しでも勇気づけられるといいな、と思っています」(紫原さん)

 「楽しいことだけでなく、大変なことも多い子育て。でも、ママだけでなく、社会全体が赤ちゃんに“愛”を向けることによって、よりよい環境が生まれるのかもしれない…」というのがプロジェクトメンバー全員の思い。今後、このプロジェクトはどのように広がっていくのでしょうか。

 「配布場所を広げていくと同時に、賛同者の皆さんにもアイデアを募ったりしています。ストラップにしてほしい、車に貼りたい、ポスターを作ってほしい、電車内に貼ってほしい、など色々なアイデアが集まっていて、また新たな展開を模索しているところです」(石上さん)

(文/日経DUAL編集部 砂山絵理子)

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