「学校」は進歩していなかった
2度目の東大受験では、準備も万全にできていたため、文科三類に合格しました。期待通り、面白い人たちとの出会いもありました。1年の後半、社会人からキャリア構築に関する話を聞くインタビューサークルを立ち上げたりしていました。
最初は社会心理学の学者になろうと考えて、経営学と社会心理学のゼミを選び、社会心理学を専攻。人が好きなので組織論を学んでいました。3年のときに留学した米ミシガン大学で心理学統計を学び、統計学をもうちょっとやろうかなとも思ったのですが、組織論を学ぶには現場を見る必要があるので、まず就職しよう、と。インターン先でマッキンゼー勤務の先輩と出会い、「こんな人たちと一緒に仕事をしたい」とコンサルへの就職を考えましたが、どうやらコンサルの世界でも“現場”を学ぶ必要があるらしい、と。じゃあ、まず“現場”に就職しようと考えて、P&Gに入りました。
その4年後、マッキンゼーに転職し、6年ほど勤めて、子どものころから興味があったヘルスケア関連企業のコンサル経験を積み重ね、「これはもうヘルスケア業界の事業を自分でやったほうがいいんじゃないか」という流れになったんです。
そして、今も経営しているデータサイエンス研究所という法人を設立しました。今立ち上げているタブレット教材「RISU」も、データサイエンス研究所の仕事の派生です。
データサイエンス研究所の知見を使って教育事業をやろうと思ったきっかけは、教育産業の規模が大きいこと。そして、データがまだ全然活用されていない産業だったから。データを活用するだけで、ものすごい成果につながるんです。
学校という世界には、昔からずっと進歩がなかったため、完全にブルーオーシャンでした。