午後11時までに寝ればママの気持ちが変わる

 そもそも人間は昼間に行動する動物です。朝は太陽の光を浴びて目覚め、夜になると眠くなる脳内サイクルがインプットされています。朝5時ごろから体温が上がりはじめ、コルチゾールというホルモンが分泌されて脳が目覚めます。太陽の光を浴びるとセロトニンがたくさん分泌されます。

 そして、夜になると今度はメラトニンという物質が分泌されて眠くなり、睡眠が深くなると成長ホルモンが分泌され、体温がぐっと低下。朝の目覚めの時間になると体温が上がりはじめるというサイクルを毎日くり返しているわけです。

 それなら夜更かししてしまった日でも、がんばって朝早く起きればセロトニンが分泌され、問題ないのではと思われるかもしれません。しかし、そう甘くはありません。セロトニンはノンレム睡眠のときにも少量ながら分泌されていて、しっかり寝ていないと、朝の太陽の光を浴びても大量には分泌されないのです。つまり、睡眠中のセロトニンの分泌をキープして朝を迎える、これがポイントです。

 午後11時にベッドに入り、ゴールデンタイムを経て、7時間寝たら、起床時間はちょうど朝の6時。カーテンを開けて、日を浴びればセロトニンがたっぷり分泌されます。

 11時までに寝ることはママが機嫌よく過ごすための必須ルール。

 しっかり寝ることで、ママはいつもご機嫌。上司の無茶ぶりや子どものいたずら、夫の失言も広い心で受け止められることでしょう。これが家族のハッピーにつながるのです。

 次回は、ママが寝ていないことで起こる深刻な家庭問題についてお話しします

(取材・文/小山まゆみ 撮影/花井智子)