りょうたっちさん「自分で作ったお化けにビビらないで」

 次に、それぞれの気づきを踏まえて、今の思いを話していきました。まず、りょうたっちさんが男性の育児参画についての思いを話します。

 「男の育児には、いくつかの壁があります。その1つは職場風土の壁です。上司や周囲に理解がない。これは相手あってのことですし、個人レベルで解決まで持っていけない場合も多いと思います」

 「一方で、個人や夫婦のレベルで乗り越えられる壁もあるなと思っています。それが、本人の意識の壁です。例えば、妻に『お迎えをお願いできる?』と言われたとき、周りにそんなことしている人はいないし、『そんなことしたら周りに何て思われるか』って考えてしまうんです。やってみる前に、見えないお化けを心の中に作りだして、ビビってる面があるんですね」

それは男のプライド? 見栄?と考えてみよう

 「『俺が抜けたら仕事が回らないし』っていう自称プライドもありますよね。でも企業って、実際に抜けたら誰かがバックアップに回るんです。プライドって言っているけど、それって結構他の人を意識した見えだったりします。一度、それってプライドなの?見えなの?って考えてみると意識は違ってくると思います」

 「そして、必要なのは一歩踏み出す勇気と、つらさを共有できる仲間です」

 「つらいときに私はTwitterでいろんな仲間に出会えて救われました。だから、弱音を吐くなんて格好悪い、じゃなくて、1つくらい逃げ場所を持つことをおすすめします。逃げるは恥じゃないんです。いつも闘ってたら疲れちゃいますよ。保育が女性だけに偏るのではなく、担い手となる男性が少しでも増えればいいなと思います」

小田記者 「9年のブランクでバトンタッチの重要さを認識」

 続いて小田編集記者が今の思いを語りました。

 「私が提案するのは『バトンタッチ』というキーワードです。先ほど天野さんが保育園問題が解決しない理由は、当事者は熱さが喉もとを過ぎればつらさを忘れてしまい、期間限定になっているから、と言ったように、保育園問題を解決するには、世代を超えた親達のチームワークが物を言います。『保育園を増やしてほしい』という思いのバトンを確実に渡していける世の中になることが欠かせません。私も晴れて復職できたあかつきには、日経DUALにおいても、そんな世の中を実現する助けとなるような情報発信を続けていこうと思っています。